リアリズムの条件:オペラの20世紀/テレビの20世紀とのつきあい方

一連のエントリーで考えたことは、リアリズムといっても文学(自然主義)と演劇(いわゆる新劇)と放送(実況中継)は、互いにリンクしているけれど存立条件が違っている、ということかと思う。

19世紀に隆盛を誇ったオペラ劇場が20世紀に凋落したときのてこ入れ策が色々あって、20世紀のオペラには自然主義文学も新劇もテレビ・放送・ビデオ映像も全部試みられて、でも、まるでスペクトル解析のように、オペラに入ってくると「リアリズム」といっても文学の影響、新劇の影響、テレビ・放送・ビデオの影響は、全部現れ方が違っている。

ひとつのジャンルが凋落する様子が「社会を映す鏡」になることがあるようですね。

テレビの凋落(それに付随する各種芸能の凋落)に付き従って、そこに「研究」の素材を見つけようとする人たちが21世紀にはたくさん出てきそうな気配だけれど、「オペラの20世紀」との息の長いつきあい方が、何かの参考になるかもしれないね。

オペラの20世紀: 夢のまた夢へ

オペラの20世紀: 夢のまた夢へ