2016-07-10から1日間の記事一覧

うたとヴァイオリンと民族音楽学

徳丸先生は、「近代」をヨーロッパの都市が地域を越える文化を目指す動き、と見ているところがあるようで、そのように考えると、民謡や諸民族の音楽の発見も、都市がその外部へ視野を広げる動きの一環であるという風にきれいに整理することができるようだ。…

複数の音楽性

生成文法は、いかにも冷戦時代の北米の議論という感じがしますが、音楽研究でこれに相当するのが「民族音楽学」なのかなあと思う。異文化への人類学的な関心や音楽研究の一領域としての比較音楽学はそれより随分前からあるけれど、the Society for Ethnomusi…

分かち書きを越えて

生成文法の概説書を眺めてみた。チョムスキーの生成文法が1950年代終わりに出てきたときの初期ヴァージョンは、人間には生得的な言語能力があるという壮大な仮説と、分かち書きされた英語の単語の並び順、という、いかにも表層的な議論がアンバランスで、そ…