2016-11-18から1日間の記事一覧

査読の添削

今度、査読論文を投稿する機会があれば、先方から届くことになるであろう査読結果の文章を添削して返送する、という作戦を敢行したいものだと思っている。「貴編集委員会から送付された査読結果の文章は、以下の点に不備があります。学術研究の場に粗悪な事…

震災と探究:文章読本Xの献身

柄谷行人「探究」が当時どう人を惹きつけたのか、小谷野敦がうまく書いている。文章読本X作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2016/11/16メディア: 単行本この商品を含むブログを見る院生仲間と飲みにいって、酔った勢いで「柄谷行人のよう…

昭和の私立大学と平成の国立大学

私の考える平成日本音楽学会史が阪大・東大・東京芸大という3つの国立大学を軸に展開する構図だとしたら、私にそういうことを考えさせるきっかけになった大栗裕の音楽物語は、関学・慶応・同志社・京女といった昭和後期の私立大学サークルの音楽文化に光を当…

反米と親米:日本楽理と民族音楽学の1980年代を回顧しつつ、東大生阪大生の積年の横暴を叱る

日本楽理の横顔をざっとスケッチしたところで、その周囲との位置関係を考えてみる。(余談だが、先の学会での留学生による涼宮ハルキ論は、コンテクスト/パラテクストというフランスの議論を輸入した北米ポストモダンの枠組を使おうとしていたが、テクスト…

再話の技巧を競いたい人々

ということで、堅苦しい日本楽理のお作法へのおつきあいは年に一度、準備期間を含めて一週間くらいで十分でしょう。近代的な音楽研究には西洋でも日本でも既に100年の蓄積があって、基本部分や古典については今から画期的に新しいことが見つかることはなさそ…