演奏会

「よみがえる関西のオーケストラ作品」NHK大阪公開録画

もし戦後関西にローカルな特色があるとしたら、たぶん、舞台・コンサートと同じくらいNHKと民放各局が重要。タカラヅカの「ベルサイユのバラ」も、吉本新喜劇も、実際の劇場で観た人の数倍がテレビで知ったはずですし、関西歌劇団に勢いがあった頃には、大阪…

延原武春&大フィルのハイドン「驚愕」とベートーヴェンの第四交響曲(大阪フィルハーモニー交響楽団いずみホール特別演奏会)

延原武春さんとテレマン室内オーケストラは、昔、朝比奈・大フィルが年末の第九をものすごい回数やっていたころに「100人の第九」で話題になっていたのを知ってはいましたが、実際にわたくしがいろいろな演奏会を聴かせていただくようになったこの十年く…

大阪センチュリー交響楽団のメンデルスゾーン「賛歌」(歌の「古さ」の分析試論)

[5/15 後半部分、「バッハのコラール」と「荒城の月」の話を追記しました。5/16 その後こまめにあちこち直しています。]本日は大阪センチュリーの定期で高橋悠治の新作披露とメンデルスゾーンの交響曲カンタータ「賛歌」(交響曲第2番)。高橋悠治作品は、…

外山雄三のショスタコーヴィチ(1/22京都市交響楽団第531回定期演奏会、4/9大阪交響楽団第144回定期演奏会)

外山雄三さんは、昨年2009年1月に、岩城宏之さんが指揮する予定だった京都市交響楽団第496回定期演奏会でオール・ショスタコーヴィチ・プロ(交響曲第5番など)をやって、一年後の今年の京響1月定期で、今度はショスタコーヴィチの第10番をやって、4月…

関西フィルハーモニー管弦楽団第218回定期演奏会

何年か前に大植英次さんが大フィルでマーラーの第九交響曲を定期の曲に選んだときは、プログラムが発表された段階で既に不吉な感じがしていたのですが(いかにも指揮者が退任時にやりそうな曲なので……)、今回は何の前触れもなく、ベートーヴェンのヴァイオ…

松下眞一歿後20周年追悼演奏会、無事終了

[3/2 何カ所か()で記述を補いました。][9/14 東京公演の情報はこちら http://www.opus55.jp/index.php?ooi_concert ]松下眞一歿後20周年追悼演奏会、無事終了しました。(京都市国際交流会館、2月27日(土)18:00開演、大井浩明(ピアノ)、宮本妥子(打楽…

創作音楽劇〜音と言葉の出会い〜「賢治の幻想」

というのに行きました(2日目の1月9日)。http://www.alti.org/page/1247189347.html昨年夏の京都府民ホール・アルティの20周年記念行事、「夕鶴の世界」や「兵士の物語」の流れを汲む演劇と音楽のコラボ企画だと思います。リーダーは、去年の「夕鶴」と…

【告知】松下眞一 歿後20周年 追悼演奏会

わたくしがここで宣伝して、どの方面のどれくらいの方のお目に止まるのか、よくわかりませんが。 松下眞一 歿後20周年 追悼演奏会 2010年2月27日(土)午後6時開演 /午後5時半開場 京都市国際交流会館・イベントホール 大井浩明(ピアノ)、宮本…

大阪フィルハーモニー交響楽団第432回定期演奏会

大植英次指揮で、ウィスペルウェイが弾くハイドンのチェロ協奏曲第1番とオルフ「カルミナ・ブラーナ」。2日目(10/30)を聴きました。今年に入って、大フィルが次々過去の演奏記録を冊子にまとめていまして、先日は、「朝比奈隆 ブルックナー指揮記録」、…

明日10月2日は大栗裕

奇しくも明日10/2(金)の夜は、大栗裕の作品を取り上げる演奏会が大阪で2つあります。時間が重なってしまったのは残念ですが。ひとつは、元大阪市音楽団の木村吉宏さんが音楽監督を務めるフィルハーモニック・ウインズ大阪「オオサカン」(←NPO法人のプロ…

なにわのストコフスキー(大植英次・大フィル京都公演)

この団体、企画だけは毎回外せない。良い悪い、好き嫌いの論評はともかく、事前に予想のつかないことがしばしば起きるから、とりあえず行って聴いてみないことには話がはじまらない。そういう音楽会というのは、実際にはそれほどたくさんあるわけではないで…

音質至上主義のマーラー(大阪フィルハーモニー交響楽団第425回定期演奏会)、追記でマーラー・ブームと往年の「第九」ブームの似ているところ

日経新聞大阪版に演奏評を書くことになっているので、演奏そのものについて細かく書きませんが、東京公演や大阪の2日間の定期演奏会で、せっかく会場へ足を運んで、客席に座っていらっしゃったのに、何を聴けばいいのかわからないまま時間だけが過ぎていっ…

飯森範親「ボクにはシェーンベルクはわかりません」(いずみシンフォニエッタ大阪第20回定期演奏会)

いずみシンフォニエッタ大阪がシェーンベルクの室内交響曲を演奏するというので、京都の大フィル特別公演(大植英次)を諦めてこちらに行きました。

西村朗の大阪、朝比奈隆の大阪、いずみシンフォニエッタ大阪第19回定期演奏会

一ヶ月前(7/3)の演奏会のことになってしますが……、この演奏会は、前半(アダムス「室内交響曲」、ヒンデミット「木管、 ハープと管弦楽のための協奏曲」)が今ひとつで(指揮者の責任ではないか?)、後半は、オリジナル編成の伊福部昭「土俗的三連画」を…

サントリー音楽財団コンサートTRANSMUSIC 2008 対話する作曲家 望月京×岩村原太(いずみホール)

若手作曲家が他ジャンルのアーチストを指名してコラボレーションするシリーズの6回目。昨年が江村哲二さんと茂木健一郎氏で、江村さんはこの演奏会の直後に亡くなったので間もなく一周忌ということになるのですね。演奏についての感想は批評を書くことにな…

第6回大阪国際室内楽コンクール本選

いずみホールに朝から晩までいて、弦楽四重奏のピアノトリオの各4団体(ということは、バルトークの3番とベートーヴェンの作品132、ベートーヴェン「街の歌」とシューベルトの変ホ長調トリオを各4回)聴きました。(審査員の方は、これが一週間続いたので…

第6回大阪国際室内楽コンクール

いずみホールで、第6回大阪国際室内楽コンクールがはじまっております。http://www.jcmf.or.jp/competition/index_j.htm他の諸々の予定の合間を縫って(新大阪で明日の演奏会http://www.oaa1985.com/kikaku/kikaku_2008thu.htmlの打ち合わせをしたり、福島…

大栗裕「弦楽のための二章」、「オーボエとオーケストラのためのバラード」、「赤い陣羽織」

今日中には仕上げたいと思っている原稿があるので、大阪センチュリー交響楽団の件はあと回しにして、簡単にいよいよ明日に迫った大阪フィルによる「大栗裕の世界」(いずみホール)のこと。http://www.osaka-phil.com/schedule/detail.php?d=20080415「どん…

東京交響楽団オープニング・ナイト

相変わらず原稿が滞っていて泣きそうです。各方面、本当に申し訳ありません。新年度の行事が続いておりますが、寝ている間と、人に会っている間以外は、原稿完成へ向けての作業に費やしております。あとちょっとです。どうぞよろしくお願いします。さて、東…

京都市交響楽団第510回定期演奏会、大阪シンフォニカー交響楽団第123回定期演奏会

春は人事異動の季節。京響では、大友直人さんが七年間務めた「常任指揮者&アーティスティック・アドヴァイザー」から名誉職的な響きのする「桂冠指揮者」へ、大阪シンフォニカーでは、大山平一郎さんが三年間務めた「ミュージックアドバイザー・首席指揮者…

イシハラ リリック アンサンブル フェアウェルコンサート

夜、イシハラホール。親会社である石原産業のフェロシルト問題の余波で、このホールの十五年続いた自主事業は、本日と明日のイシハラ リリック アンサンブル演奏会で終了。縁あって、この演奏会のプログラムにホールの十五年の歩みを振り返る文章つきの曲目…

大阪センチュリー交響楽団第127回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。来年から沼尻竜典が首席客演指揮者になるのは、同氏が音楽監督を務めるびわ湖ホールとの関係を深める意味があって、来年のびわ湖プロデュース・オペラでは大阪センチュリーがピットに入ると聞いています。(京響は十年間お疲れ様で…

マルガサリ版「桃太郎」

作曲家の野村誠さんが十年がかりで取り組んでいるガムラン集団による「桃太郎」、大阪公演初日を観ました。 この夏、マルガサリの問題作『桃太郎』待望の大阪公演が実現しました。「鬼ヶ島でなにがあったのか」ぜひ、みなさんの目でお確かめください。 『桃…

京都市交響楽団第503回定期演奏会(の批評)

8/8(京都コンサートホール)の京響定期演奏会の批評が、本日の日経新聞夕刊(大阪本社版)に掲載の予定です。来年4月から常任指揮者に就任することが決まった広上淳一さん指揮の演奏会。まだ、来年度の公演予定も出ていませんし、広上さんはコロンバス交響…

「木曜リサイタル」作曲家シリーズ全8回終了

ピアノの木下千代さん、チェロの元井あずささんによるこの日6月28日のショパンで、ムラマツリサイタルホール新大阪の「木曜リサイタル」作曲家シリーズ全8回が終了しました。5月10日から6月28日まで、毎週木曜日19:30からの約一時間半。公演時間はやや短…

大阪フィルハーモニー交響楽団第409回定期演奏会

木曜日の定期初日はムラマツリサイタルホールのシリーズと重なってしまったので、今月の大フィル定期は今日の二日目を聴かせていただくつもりでいたのですが、昨日は大変だったようですね。 昨日6月14日の第409回定期演奏会におきまして、音楽監督の大…

ハン・カヤ ピアノリサイタル、オーケストラ・ムジカ・チェレステ演奏会、大植英次・大フィルのベートーヴェン、宮下直子ピアノリサイタル

先週末から立て続けに中身の濃い演奏会が続いているのですが、今は全然時間がないので、とりあえず感想の概略をメモ的に書いておきます。 ハン・カヤ ピアノリサイタル、6/1(金)、京都府民ホール・アルティ オーケストラ・ムジカ・チェレステ、6/2(土)、…

トランスミュージック2007 江村哲二×茂木健一郎(の批評)

5/26(いずみホール)の「トランスミュージック2007」江村哲二×茂木健一郎について批評を書きまして、本日の日経新聞夕刊(大阪本社版)に掲載の予定です。 関連エントリー 「トランスミュージック2007 江村哲二×茂木健一郎」音楽とクオリアのコラボは「ロマ…

トランスミュージック2007 江村哲二×茂木健一郎

午後、いずみホール。この演奏会については、出演者お二人の個人ブログやこの演奏会の特設ブログで進捗状況が逐次公開されていましたし、お二人の対談が新書として出版されています。これだけ事前情報がたっぷり提供された公演は珍しいんじゃないでしょうか…

「木曜リサイタル」作曲家シリーズ・3ベートーヴェン 松村英臣ピアノリサイタル

先日、ご紹介した新大阪・ムラマツリサイタルホールでのリサイタルシリーズの3回目、本日終了いたしました。次回は、来週5/31(木)19:00〜、中務麗子さんによるプロコフィエフ。「ロミオとジュリエット」からの10の小品と、八幡順さんを迎えてヴァイオリン…