西村朗還暦コンサートinいずみホール

……という名前でもよかった気がするのだけれども、プログラムの表記は、

新・音楽の未来への旅シリーズ
いずみシンフォニエッタ大阪 第30回定期演奏会
「作曲家 西村朗」
〜光と影の響像 1970-2013〜
2013.2/2(土)16:00

舞台上の西村朗ご本人の並々ならぬ気合いは、大阪府・大阪市・城東区の首長が来賓席に顔を揃えて、「大阪を代表する大作曲家」を祝福するお膳立てを整えて当然だろ、こら。という感じだったし、

万が一本当にそーいうことになっておったらイカンと思うから、みんな(例えば吉松隆まで)都合をつけて集まったわけだが、

実際の会場の雰囲気は、お金のない若者が小さなレストランを借り切ってやる、ささやかな「結婚おめでとうパーティー」みたいだったぞ。

人生の門出(本人は「あと一周、120歳まで生きる」と言った)がこれでいいのか?

定期演奏会が30回を迎えたことについての何かは、一切なかったし……。そういうのがないのが、こんなもの、なのかもしれないけれど。

(周りが本人を万全に祝福しなければならないようなムードを醸造したうえで仰々しくなるポイントを外す、みたいな高等戦術の点では、武満徹のほうが一枚も二枚も上手だったかもしれませんねえ……。時代が違うというのもあるけれど。)