客より前にスタッフが「すごい、うまい、ぶったまげた」とか盛り上がったら醒める、というのはジャンルを問わず、基本であろう

スラトキン&リヨンwith五嶋龍と重なってるからねえ……。劣勢の時間帯をどういう戦術で乗り切るか、そこには、イケイケのときとは別のノウハウが必要であろう。相手の守りが堅いのに、右だ左だ前だ後ろだ、と、ロングパスをやたらと投げ込んで前の選手を大きく振り回し続けると、消耗ばかりが激しくなる。

昔、ニッポン代表がどうしようもなくなったときに、天王寺高校出身のコーチを「監督」に昇格させて乗り切ったことがあり、「やっぱ偏差値ってダテじゃないのかもね」という漠然とした知性への信頼が人々の脳裏に一瞬蘇ったことがあるが、こうなると、地頭の良さそうな音楽監督がリハーサルから現地入りして采配を振るっているらしい、という情報が最後の希望、頼みの綱であろうか。(去年も、「自営業」としての自己プロデュース力抜群の作曲家氏の強力な管理下に入ることで、どうにか体裁を整えていたもんね。)

……というよそ様の都合はほっといて、時間まで黙々と仕事である。

様々な巡り合わせてアルカン、クララ・シューマンからプロコフィエフまで、とっかえひっかえピアノ協奏曲ばかり聴いている。

アルカン問題は、思うところがあるので、あとで書く(かもしれない)。