大野・京響vsスダーン・大阪フィル

28日は京都コンサートホールで大野和士・京響の第九。29日はフェスティバルホールでスダーン・大阪フィルの第九。

本当は2つまとめて批評で取り上げられないかと思ったくらい個人的に気になっていた「対決」だったのです。新聞批評で年末の公演評を新年に載せるのは難しいので、批評は実現しませんでしたが、色々な意味で好対照な内容になっていると思います。

大阪フィルは明日もう一日あるので、お時間と懐に余裕のある人は聴いておくことをお薦めしたい。特に大野・京響(こちらもここ数年次々新曲に挑戦している京響合唱団が熱演)を聴いた人が、まったく違うアプローチのスダーン・大阪フィルを合わせて聞いて、どちらが好きか、どっちがいいと思うか、是非ご意見をお聞きしたいです。

好き嫌いは別にして、スダーンが短期間でオーケストラだけじゃなく、大阪フィルの合唱団を自分のスタイルにすっかり変身させたのが驚き。こんなに歯切れのいいリズムで、完璧とは言わないにしてもハーモニーの見通しのいい大阪フィル合唱団は聴いたことがない。

別に意見誘導とか宣伝とかじゃなく、フェスに移ってからの大阪フィルの今年度のコンサートでは、今のところ、スダーンのブルックナーとこの第九が断トツに良い。少なくともこれは、語る価値のある水準に達した主張のある公演だと思います。

(わたくし、わざわざ東京まで観にいったオペラを含めて、回を重ねるたびに大野和士が疑わしく思えておりまして、私の意見は「アンチ大野」のバイアスがかかっていると受け止められる可能性はあるかもしれませんが、コンサートの感想は白黒はっきりさせたほうが盛り上がるじゃないですか。(仕事のお座敷をたくさんゲットしたいときには、玉虫色の八方美人がいいのかもしれませんが(笑)))