不機嫌

マーラーを識る

マーラーを識る

二冊目の著書でも相変わらず著者は常に不機嫌ですが……、

学者が正確な情報を掘り起こしたような場合でも、それが日本の普通の音楽ファンに届くのにはほぼ半世紀くらいかかる(たとえば古楽がそうだし、今でも、さすがに小林秀雄で悲しみが疾走する人はいないかもしれないけれど吉田秀和が愛読されていたりする)。「クラシック音楽」は、そういう鈍重なジャンルなので、気長にやるほうがいいのかもしれない。自戒を込めつつ。