2017-09-07から1日間の記事一覧

管弦楽曲の自作自演:指揮者としての大澤壽人

20世紀音楽史を捉え直すときには、単体の作曲技法史から演奏との関係を加味した視点にシフトする必要があると思う。ざっくり言えば、19世紀以前の西欧の音楽は自作自演が前提になっていて、一方、20世紀後半の音楽は作曲(設計図を書く仕事)と演奏(図面に…

映画音楽と読み替え演出

ふと思ったのだが、「2001年宇宙の旅」で人類の誕生にシュトラウスのツァラツストラを使ったり、「地獄の黙示録」でベトナムの空爆にワーグナーのワルキューレを使うのは、20世紀末のドイツの演出家たちのいわゆる「読み替え」の遠い源流のひとつだったりし…