2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ハーゲン弦楽四重奏団 with 宮本文昭

いずみホール。後半のベートーヴェン「弦楽四重奏曲第16番」が圧倒的でした。第1楽章の、老人のつぶやきや繰り言、野放図さをリアライズするボーイング。絶妙のバランスでノイズを交えて、ほとんど拍子や調性を曖昧にしてしまった第2楽章。第3楽章の、変…

next mushroom promotion vol.7 シュパーリンガーを迎えて

午後、京都ドイツ文化センター。辺見康孝(ヴァイオリン)、大井浩明(ピアノ)による「extension」(1979/80)を聞きました。「主となる思想からその変化形や副次的思想を導き出すというような考え方に対する、対抗モデル」、「全面的関連性」といった、(直…

吉岡妙ピアノリサイタル

イシハラホール。「スコラカントルムで後進を指導しながら、ラフマニノフ音楽院に在学中」というプロフィールが気になり、調べてみたら、ラフマニノフ音楽院というのは、フランスにいたラフマニノフの娘さんが開設した、私立音楽学校なのですね。ドビュッシ…

大阪フィルのメンバーによる「室内楽の愉しみVol.40」

大フィル会館。コンサートマスター、ロバート・ダヴィドヴィッチの企画で、曲目も、室内楽演奏会として、本格的なものでしたし(ラヴェル「序奏とアレグロ」、モーツァルト「ヴァイオリンとヴィオラの二重奏曲第1番」、ドビュッシー「弦楽四重奏曲」、ブラ…

京都市交響楽団第473回定期演奏会

午後、京都コンサートホール。指揮、岩城宏之。この日は、武満徹の9回目の命日+黛俊郎の誕生日ということで、前半は二人に縁のある作品。湯浅譲二が武満の死の直後に書いた「ヴァイオリン協奏曲“イン・メモリー・オブ・武満 徹”」(独奏:堀米ゆず子)は、…

ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団

京都コンサートホール。まもなく音楽監督を退任するプロムシュテットの指揮で、メンデルスゾーン「イタリア」と、ブルックナー「交響曲第7番」。就任後間もない99年の公演は、楽団をあっという間に透明で現代的なスタイルに変えてしまった驚きの他に、個人…

山下洋輔&金子飛鳥

午後、びわ湖ホール。巨大な会場ですが、MCでつなぎ、ライブ・ハウスと基本的に変わらないスタイル。ラヴェル「ボレロ」というのは、山下さんのとんでもないヴィルトゥオーソ性と、音楽的な幅の広さを、お客さんにわかりやすく、なおかつ挑戦的に見せる、う…

大阪フィルハーモニー交響楽団第385回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。阪哲朗の指揮で、シャブリエ(「グヴァンドリーヌ」序曲)、サン=サーンス(チェロ協奏曲、独奏:アリソン・エルドリッジ)、フランク(交響曲ニ短調)。細部へのこだわりがあるのはわかりますが、曲全体のバランス、構成が悪く、…

「運命の1853年」ムジカ・キアリーナ

ザ・フェニックスホールのエヴオリューションシリーズ第35回。ロベルト・シューマン、クララ・ヴィーク(シューマン)、ヨハネス・ブラームスの交流を、ブラームスがシューマン夫妻と出会った1853年を中心に、朗読(今村由紀)と、室内楽(ヴァイオリン:木…

小栗まち絵ヴァイオリン・リサイタル

いずみホール、エクソン・モービル音楽賞受賞記念演奏会。モーツァルト、バッハで18世紀の弓を使い、イザイ、ドビュッシー、ラヴェルでモダンな弓を使うというように、1月の森悠子さんのリサイタルと対になる企画でした。一回的なパフォーマンスというより…

関西フィルハーモニー管弦楽団いずみホールシリーズVol.3

午後、飯守泰次郎の指揮で、関西の作曲家3人の作品。意欲的な試みだったと思います。大栗裕「大阪俗謡による幻想曲」。すでによく知られた曲ですが、20世紀のある種の音楽を、いかにも「現代音楽」風の乾いたリズム、土俗的なメロディという紋切り型で演…

上原彩子ピアノリサイタル

いずみホール。ショパン「前奏曲集」とムソルグスキー「展覧会の絵」。極めて「オタク」的な演奏だと思いました。もしかすると文学的かもしれないイメージの豊かさ、響きの組み立ての緻密さ、いかにも鍵盤奏者らしい触覚的な、音をまず指先でとらえようとす…

大阪シンフォニカー交響楽団第98回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。山下一史の指揮で、シベリウスの交響曲第7番と第5番。透明で抑制され、統率された響きを作り上げていたように思います。オーケストラのまとまりが良くなり、その成果が現れている気もしました。少なくとも第7番には、こういうア…