2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

言説史の彼岸

大栗裕の自筆譜研究や大阪の祭り囃子の調査、遺品として残された録音の解析をこれまでやってきて、それはつまり、西欧流音楽学、民族音楽学(比較音楽学)、ポピュラー音楽の基礎にもなりそうなニューメディア論を参照しながら大栗裕にアプローチしてきたこ…

オペラあってのオーケストラ

高校生の頃、大阪フィルに入った吹奏楽部の先輩が「今はオペラに興味がある」と言って、家に行くとずっとオペラのLPをかけていた。1983年、朝比奈隆が関西歌劇団のオペラから手を引く前後の頃だと思う。それまでずっと関西歌劇団のオペラ公演は大阪フィルが…

千人の交響曲の「演出」

びわ湖ホールが開館20周年記念公演で千人の交響曲を取り上げて、(1) カトリック典礼文による第1部を「序曲」風に純音楽的にまとめて、ファウスト終幕による第2部を所作と衣装のない音楽劇(オラトリオ風の)として盛り上げる。(だから、客席奥のバンダのブ…

ゴールを見失った演出、好発進だったのに

びわ湖ホールの「魔笛」は既に日生劇場でやったプロダクションだそうなので、今さら演出について何か言っても仕方がないかもしれませんが、前半はほぼ完璧と思えるくらい周到にひとつひとつのシーンを作り込んでいたのに、後半でそれらのアイデアがほとんど…