2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

批評と広告

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[3/31 16:45 最後を一部加筆。]増田聡さんが、近著「音楽未来形」への私の感想をリンクしてくださっていました。http://masuda.way-nifty.com/blog/恐縮です。で、ブログの内容が興味深かったので、勝手に(しかも数ヶ月前のエントリーに)便乗して、批評と…

「関西クラシック音楽情報」読者アンケート

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「関西クラシック音楽情報」で、先日行われた読者アンケートの集計結果が公開されていました。http://www.kh.rim.or.jp/~horin/enquete2.html回答の実数は多くなかったようですが……、「演奏会には、どれくらい行かれますか。」の質問に、半数以上が、月1、…

大阪フィルハーモニー交響楽団いずみホールコンサートシリーズ

指揮、大植英次。シンフォニーホールの定期は全力投球、いずみホールの公演は、アット・ホームな、いわば「ファンの集い」という姿勢で臨んでいる印象を受けました。特に、前半、ヴィヴァルディ「四季」は、若いコンサートマスター、長原幸太くんのお披露目…

増田聡、谷口文和「音楽未来形」(2)

増田聡、谷口文和「音楽未来形ーデジタル時代の音楽文化のゆくえ」ISBN:4896918991(この本全般の感想は、その1に書いています。)111-112頁で、岩城宏之「楽譜の風景」の、「第九交響曲」終楽章のディミニュエンド問題が取り上げられています。昔から、こ…

増田聡、谷口文和「音楽未来形」

増田聡、谷口文和「音楽未来形ーデジタル時代の音楽文化のゆくえ」ISBN:4896918991最初に思ったのは、コンピュータなどの技術解説書のような文体だな、ということでした。最新のテクノロジーをめぐる議論(の文体)にひきずられたのかな、と、はじめは、その…

関西フィルハーモニー管弦楽団第172回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。シューベルト「ロザムンデ」(魔法の竪琴)序曲は、響きを整理した弦楽器の上で、木管が細かく表情をつける、かわいらしい仕上がり。ベートーヴェン「田園」は、第1、2楽章の生成する自然や、終楽章の祝祭的な讃歌のイメージを大…

第24回アゼリア推薦新人演奏会

午後、池田市民文化会館大ホール。出演者は、辻英恵(ピアノ)、蔭山晶子(クラリネット)、中西裕子(ピアノ)、松浦梨沙(ヴァイオリン)、柿田悠美(ピアノ)、星山智子(ピアノ)、福住恭子(声楽)、秋山哲也(ピアノ)。優秀賞を得た星山智子さんは、…

「ピアノはいつピアノになったか?」第8回ピアノとテクノロジー

ザ・フェニックスホール。どういうことになるのか、事前にほとんど予測がつかなかったのですが、行ってみると、2年間8回のマラソン企画をきれいに締めくくる内容でした。(講師:三輪眞弘)自動ピアノと大井浩明による、ナンカロウ「スタディ」やリゲティ…

大阪フィルハーモニー交響楽団第385回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。大植英次の指揮で、マーラー「交響曲第6番」。2年前の5月に、同じマーラーの「復活」で就任披露をした大植さんの、いわば音楽監督第一期の節目になる選曲・演奏だったように思います。冒頭の迫り来るバスの刻みから、尋常ではな…

大阪センチュリー交響楽団第99回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。指揮はユベール・スダーン。ハイドン「交響曲第99番」は、各パートにまんべんなく話題を振る、非常に公平な音楽。一方、後半のモーツァルト「プラハ」は、第1楽章を、ほとんどバッハかヘンデルのように理屈っぽく、壮大に組み立て…

小林道夫教授の「大人のための音楽の時間」3時限目「シューマン夫妻とブラームス」

午後、びわ湖ホール小ホール。シューマン夫妻の合作歌曲集「春の愛」(メゾソプラノ:寺谷千枝子、バリトン:萩原次己)、ディートリッヒ、シューマン、ブラームス合作の「F. A. E.」ソナタ(ヴァイオリン:漆原朝子)などを通して、標記三人の交友を紹介。…

宋容希ピアノリサイタル

阿倍野区民センター小ホール。「オール・ショパン・プログラム」(夜想曲op.9全曲、バラード第3、4番、ソナタ第3番)。メロディを健全に歌うショパン。ただし、左手の伴奏を抑えることができていないなど、技術的には、気になるところが多々ありました。

ミート・ザ・プロミシング・アーティスツ第3夜

午後、いずみホール。関西の各種新人奨励賞を受けたソリストを紹介するシリーズの最終回。指揮の陳琳(小澤征爾推薦、1曲目は「こうもり」序曲)は、独特のルバートで、オーケストラをぐいぐい牽引できる人でした。ブラームス「ピアノ協奏曲第1番」の独奏…

「嗤う日本のナショナリズム」(2)

北田暁大「嗤う日本の「ナショナリズム」」ISBN:4140910240なんとなく、証文の出し遅れ、という印象を受けてしまったのは、議論のスタンスとして、ised倫理研(2ちゃんねるは終わった、さあ次へ)の前提のような話なのに、「倫理研」ログより後のタイミング…

京都市交響楽団第474回定期演奏会

京都コンサートホール。大友直人の指揮で、ブラームス「ピアノ協奏曲第2番」(独奏、小山実稚恵)。昨秋、チェロのソロ首席奏者に就任した上村昇のソロ(第3楽章)を聴くことができた、この日の演奏会は、これに尽きると思います。体調不良につき、ここで…

大井浩明クラヴィコード・リサイタル「カツラを脱いだバッハ」

午後、京都府立府民ホール・アルティ。「平均律」第1巻の2時間以上をかけた全曲演奏。音が聞き取れないなどの声もあったようですが、それは、クラヴィコードを使う時点でわかりきったこと。どの席を確保するかというところから、演奏会は既に始まっていた…

2004年度青山音楽賞授賞式

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青山音楽賞:上田仁(トランペット)、谷村由美子(ソプラノ)、池上英樹(打楽器)。バロックザール賞:京都室内オーケストラ、上野真(ピアノ)。表彰式に続いて、披露演奏。昨年末のリサイタルで受賞した池上さんは、たしかに、卓抜した音楽家だと思いま…

「嗤う日本のナショナリズム」

北田暁大「嗤う日本の「ナショナリズム」」ISBN:4140910240もとになった「世界」2003年12月号の論文がとても面白かったので、早速、読ませて頂いたのですが、80年代論のあたりから、違和感が募ってしまいました。146頁で、「アイロニー」と「ユーモア」の区…

チェンバロが奏でるフィレンツェ クラウディオ・アストローニオ

京都府立府民ホール・アルティ。「フィレンツェ・芸術都市の誕生展」(京都市美術館)との連動企画第二弾。バロックからケルビーニまで、フレンツェ、トスカナ地方の作曲家の鍵盤作品集。アストローニオは、こだわりなく、譜面を飄々と音にしてゆくタイプ。…

大阪シンフォニカー交響楽団第99回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。昨秋の首席指揮者就任披露定期が絶賛された寺岡清高の指揮で、ベートーヴェンの序曲「献堂式」とピアノ協奏曲第4番(独奏:仲道郁代、寺岡氏のご指名と伝え聞きました、何故?)、シューベルトの大ハ長調交響曲。どの曲も、輝きが…

ザ ハープ コンソート「哀愁のケルト」

午後、京都府立府民ホール・アルティ。パーセル時代のアイルランドの音楽家、カロランの作品集。歌と楽器とダンスをバランスよく組み合わせたステージングは、いつもの通り。ハープをベースにした、薄味の響きのアンサンブルが、なぜこれほど魅力的なのか不…