2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「二世音楽家」の記念年

2013年は、ヴェルディとワーグナー、一代でイタリアとドイツに「オペラの城」を築いて、そのお城が今も継承されている、「初代」の人たちの生誕200年のアニヴァーサリーだったけれど、2014年は、ミュンヘンのホルン奏者フランツの息子リヒャルト・シュトラウ…

歳のとりかた

リハビリは、やっぱり大変なんだ、チッコリーニのように、機敏さと、今何ができるかの判断力を失わないのは例外中の例外。ということより、竹下景子さんはこんな風に歳をとられたのか、の感慨があった菅原伝授@NHK。

アマオケ的なもの

ピアノのような鍵盤楽器で音楽に親しむ人と、ヴァイオリンや管楽器などの旋律楽器で音楽に親しむ人では、音楽を眺める「角度」が違うことがあるように思う。プロの指揮者でも、オーケストラをまとめるときに、「鍵盤楽器風」のアプローチと「旋律楽器風」の…

「黙ってオレについてこい」と「みなさんの幸せのために」

飯森範親は、プレイヤーがひたむきにオレについてきてくれているときに、「音楽やってる実感」があるタイプなのだろうと思う。山形で、そのスタイルがどうすれば事業として大きく育つか、ということを一生懸命考えて、その結果として現在の形があるようだ。…

ロシア健在

ヴァイオリン演奏には、俗にロシア派、フランコ・ベルギー派がある(あった)と言われる。実態には諸説あるにしても、そこを起点に話すと色々な話題に広がるので、機会があると、まず、クロイツェルをクレーメル&アルゲリッチと、デュメイ&ピリスの演奏で…

受賞記念

三善晃の四部作と呼ばれているオーケストラ曲のCDがなぜ2枚組なのかと取り寄せたら、サントリー音楽賞受賞記念公演ライブで、同じプログラムの東京公演(東フィル)・大阪公演(大フィル)が両方が入っていた。 三善晃 交響四部作「夏の散乱」「谺つり星」…

ヒトをつくる

前の記事(http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20140625/p2)の補足みたいな話だが。

「○○だったらしい」で済むなら報告・報道は要らない

「よかったらしいよ」という不確かな噂が、いつの間にか「あれはいい演奏会だった」という断定同然に扱われ、伝聞が断定にすり替わる。そんなことをする権利は誰にもない。何様か?事件が起きると「当事者意識の欠如」という非難がしばしば出るが、その場に…

チッコリーニが出演する大フィル定期の会場は肥後橋のフェスティバルホールです

(先月、ぼーっとしてシンフォニーホールに行ってしまい、慌てて福島駅前でタクシーを拾う羽目になった自分自身のためのメモ)

「コットさんはいう」

三善晃のいわゆる三部作を「風紋」→「詩編」と作曲されたのとは逆順に聴いていったのだが、やっぱりレクイエムは夜中に独りで受け止めるのはキツい。 三善晃「レクイエム」アーティスト: 日本フィルハーモニー交響楽団,日本プロ合唱団連合外山雄三,東京混声…

モノを作る会社と情報・サービス・流通の会社

さっき気がついたのだが、企業メセナ(←やや古い概念)といっても、母体の企業の職種は色々ある。文化財団的なものを作って芸術に参入した早い例としては新聞社があって、その流れて放送局も色々やっているし、企業メセナという言葉がさかんに使われていた頃…

どんぶり勘定

興行の世界では、少し前まで相当などんぶり勘定がまかりとおっていたことが知られている。総額いくらで仕事を請け負って、どこにいくらお金を回すか、細目は親分のさじ加減、実態と合って無くても、結果がうまくいけばそんなことは問題にならない、という感…

不気味なまでにアーティキュレーションが欠如した言葉の連なり

しかるべき資金を調達して、イベントの主催者との間で現金取引や信用取引によって特定のイベントに自分が参加する権利を取得したり、その特定のイベントに遅滞なく参加するべく、所定の日時の特定の時刻に所定の場所にたどりつくことができるように自分の行…

ささやかな夢

「私は何も西洋人になりたいわけじゃない。でも、もし生まれ変われるものなら、吉田秀和みたいに素敵な可愛い発音で外国語が上手にしゃべれる人間になりたい。ベンジャミン・ブリトゥンとか。ブリにもトゥンにも、uの母音は入らないのに、どうして日本語はそ…

時事ネタ? フォワード≠前衛

メディアの日本語がカタカナ言葉で埋まる前は、サッカーのフォワードを前衛と言っていたような気がするのだけれど(少なくともバレーボールでは「前衛」の語をよく使っていたような気がするのだけれど)、

年功序列?

それまで問答無用に頭を押さえつけられていた人は、そのような「目上」がいなくなると、今度はここぞとばかりに、「目下」の頭を押さえつけることに喜びを覚えるものらしい。人間とは哀しい生き物なのです。

若い生き血

ブラームス(ドイツ)、グリーグ(ノルウェー)、ボロディン(ロシア)、なんちゃらかんちゃらテデスコ(イタリア)。それぞれの国やジャンルで大成した人たちの若書きの曲だけを並べたプログラムで、何やらチッコリーニが若い生き血を吸い取ろうとしている…

切ないゼクエンツがバッハとブラジルをつなぐ

らららクラシック♪(一週間前の分だけど) ヴィラ=ロボスは底知れないよね。

ドイツ × イタリア = ウィーン!

日本人のウィーン好き(音楽における)ってそういうことだよね。シンフォニーとオペラを一度に味わうロッシーニ風ステーキ(フォアアグラもトリュフもあるよ)みたいのがウィーンであり、ワグネルだ、みたいな。でも、ドイツはさておき、イタリアン・ブラン…

「ポスト・ベートーヴェン時代」のコンチェルト鑑賞

ヴァイオリンつながりで、もうひとつ。

パクリ?

大栗裕は、やっぱりこの曲を研究したんじゃないかという気がしてきた。

前衛の源流

一部で話についてこれない人がいるようなので簡単に補足するが、ベートーヴェンの後期ソナタというのは、そこで終わり、行き止まりではなくて、この先に後期弦楽四重奏があるわけです。ハンマークラヴィアは、ピアノだけ見ていると到達点だけれど、書いた本…

大阪国際室内楽コンクールのレポート

5月に堪能させていただいたコンクールのレポート、『音楽の友』に出ました。

作曲のレッスンで香具師の口上を学ぶ

並の作曲家ならこの場面をどう音楽化するか考えてみよう。[……]ではセリアのパターン通りのこの場面を、いったいモーツァルトはどう作曲したか?[……]これだけパターン通りに書かれた台本でありながら、そこに少年モーツァルトが「生きた人間の情感の揺れ」を…

敗因の分析

[色々工夫をしていても全体像がピタリと決まるに至らない演奏を「いい」と言ってはダメだろう。予断や思惑、奏者への思い入れやこれまでの実績で、今、目の前に起きている物事への判断がブレてはいかん。……といつも言っているのは誰だっけ?と同時に、過去6…

B-durが二つ

チラシを見直すと、ハンマークラヴィアの前に初期のB-durのソナタを弾くことになっていた。これもあまり演奏されない結構大変な曲で、むしろこっちが気になる。最初のc-mollは、これまでの演奏からまず大丈夫だろうから、勝ち点3。ハンマークラヴィアは、強…

政治的に正しいオペラ史のために

オペラの運命―十九世紀を魅了した「一夜の夢」 (中公新書)作者: 岡田暁生出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2001/04メディア: 新書購入: 7人 クリック: 37回この商品を含むブログ (37件) を見る 4月から、授業で学生さんと岡田暁生『オペラの運命』を読…

誘惑に負ける

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲アーティスト: パトリシア・コパチンスカヤ,ベートーヴェン,フィリップ・ヘレヴェッヘ,シャンゼリゼ管弦楽団出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント発売日: 2009/10/21メディア: CD購入: 2人 クリック: 17回こ…

オペラ・セリアは神々の活躍を王様たちが楽しんだ、グランド・オペラは王家の歴史をブルジョワたちが楽しんだ

要はそういうことですね。

アナリーゼは対話で進む

岡田暁生が遂にアナリーゼの本を作った。 すごいジャズには理由(ワケ)がある──音楽学者とジャズ・ピアニストの対話作者: 岡田暁生,フィリップ・ストレンジ出版社/メーカー: アルテスパブリッシング発売日: 2014/05/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (…