2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

全巾・半巾/Mono・Stereo

放送局がオープンリールテープのケースに添えたデータシートは、「19cm/s・9.5cm/s」「全巾・半巾」「Mono・Stereo」というようなチェック項目があったりする。オープンリールの録音方式が色々あって、それでこういうことになっているようだ。 1トラック1チ…

大栗裕の自筆譜展示

大阪音楽大学ザ・カレッジオペラハウスのロビーに長らく付属図書館大栗文庫の資料が展示されていましたが、同文庫の移転を機に展示が更新されました。明日11/1のファルスタッフ公演など、オペラハウスご来場の際にお立ち寄りください。

フィルムとテープ:35mm帝国主義とその周辺

カメラの話で、やたらと「35mm換算」という話が出てくると思ったら、映画のフィルムと同じサイズ・規格のフィルムを1コマ35mm幅で使うのが事実上の標準になっていたんですね。単なる私の無知ですが。(映画のコマと写真のコマは縦横が90度回転しているから、…

「カメラの国ドイツ」

日本写真史 上 - 幕末維新から高度成長期まで (中公新書)作者: 鳥原学出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2013/12/19メディア: 新書この商品を含むブログ (8件) を見る 趣味のカメラといえば、かつてはなんといっても「ライカの国ドイツ」であったらしい…

海の時代、川の時代、山の時代

大栗裕がだんじり囃子(大阪俗謡による幻想曲)や阿波踊り(ヴァイオリン協奏曲)の和製ニューリズムで踊っていた昭和30年代は「海の時代」(だんじり文化圏は瀬戸内海から大阪湾の沿岸地域に広がっているらしい)。枚方に住んで、宇津木秀甫の協力で淀川水…

歴史の必然?:どのような転機が聞こえくるのか?

ある現象の来歴をつまびらかにすることは、その現象が必然であるか偶然であるかの判断には関与しない。そして歴史に「必然の法則」がある、という主張はほぼ科学ではなく信念だと思う。The Audible Past という書物にある時期の日本のある種の知識人(比較的…

聞こえくる大大阪

宮原禎次「大大阪」(1940)が2010年に本名徹次指揮大阪センチュリー響で再演された、というのは、「よみがえるラジオ歌謡」というNHK大阪制作の番組の公開収録ですね。このあと東京に戻って、吉田秀和「音楽のたのしみ」の最後を看取ることになった西川プロ…

S/N比:信号の増幅

大所高所からの大学論はともかく、録音技術実習めいた日々が続いている。オープンリール、カセットの次はLPレコードである。これもほぼ忘れてしまっていましたが、Universal Serial Bus (USB) でなんでもつなげてしまえる今時のコンピュータのデジタル信号送…

太閤園

今日教えてもらったのだが、貴志康一の網島の生家は現存しないけれど、父奈良二郎の作った茶室が残っていて、これが現在は大阪市から隣接する太閤園に所有者が移り、「桜苑」という結婚式場を使うと見ることができるらしい。(旧貴志家の茶室の土地を大阪市…

ドラマと採譜

1960年代の音楽で「採譜」と聞くと、音楽学者は有り余る教養(笑)が邪魔をして過剰反応してしまったりする。阪大音楽学で山口修門下だったりするとなおさらであったりするようだ。最低でも小泉文夫やチャールズ・シーガーを思い出しちゃうわけですね。でも…

カセットテープの普及時期

カセットテープをあの規格で最初に作ったのはフィリップス(1962年)で、1965年に特許が無償公開され、1966年にはTDK(東京電気化学工業だからTDKなんですね)が日本で初めて製品化、カセットといえばTDKという感じになっていたように思うのだけれど、本格的…

addiction

ゲームサウンド制作ガイド ―インタラクティブな音楽のための作曲技法 (GAME|DEV|LAB)作者: Winifred Phillips,竹内雅樹,宮崎空出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2015/08/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (4件) を見る 「…

反証としての分析、例示としての分析

Film Analysis 映画分析入門作者: マイケル・ライアン,メリッサ・レノス,田畑暁生出版社/メーカー: フィルムアート社発売日: 2014/10/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 映画のスナップショット満載で、さすがフィルムアート社!という感…

音楽史とオペラ史

ワーグナーの音楽史における意義とオペラ史における立場は、区別して考えた方がうまくいきそうな気がする。サウンドによる作品、とそれを成り立たせる技術(四音和音とか改良楽器の積極的使用とか)は、オペラ史というより、音楽史全般に関わるトピックで、…

ドルビー博士

オープンリールテープをセットしたり、切ったところをつなぐのが楽しくなってきたところだが、今度はカセットテープを扱っている。録音技術史の実習のような日々で、久々に「ドルビーB」サウンドを体験しております。映画のサウンドトラックにおけるドルビー…

「大栗裕の採譜の実際 - 「大栗文庫」所蔵資料の2015年度再調査報告を中心に」

日本音楽学会西日本支部第28回(通算379回)例会(2015年10月3日、於精華大学) 発表原稿(PDF) http://www3.osk.3web.ne.jp/~tsiraisi/musicology/article/msj-kansai20151003.pdf レジュメ(PDF) http://www3.osk.3web.ne.jp/~tsiraisi/musicology/article/m…

遺品と肉声

[この項は事実誤認があったので削除。大栗裕のインタビューを含むカセットテープは大栗裕の遺品です。]

transcription/arrangement

理論的なチャレンジをするわけじゃないので後回しにしていたが、New Grove 第2版の transcription の項目は短いけれども民族音楽学における数々の採譜の提案がコンパクトに概観してあって、学生時代にこのあたりを色々読んだのが思い出されて懐かしい。やは…