2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

アルバン・ベルク四重奏団演奏会

イシハラホール。ヴィオラはイザベル・カリシウス、予告されていたベルク「抒情組曲」がシューベルト「弦楽四重奏曲変ホ長調」に変更され、この団体には珍しく、二十世紀作品のない、オール・シューベルト・プロになりました。けれども、ハ短調の四重奏断章…

サントリー音楽財団コンサートTRANSMUSIC 2005 対話する作曲家 伊左冶直 イラストレーター名倉靖博氏を迎えて

いずみホール。昨年の権代敦彦氏に続いて、今回も、ビジュアルアート系のゲストと組み、コンサートホールを目で楽しめる空間に作り替えた上で(舞台背後のスクリーンに名倉氏のイラストを投影)、自作および世界の様々な音楽を、切れ目なく、一続きのステー…

上森祥平ベートーヴェン“ピアノとチェロのためのソナタ”全曲演奏会

午後、京都府立府民ホール・アルティ。ソナタ5曲を一挙に演奏する大変な企画。アフター・トーク(聴き手役で参加させていただきました)は、如才なく「普通の人」として気さくに話してくださいましたが、演奏を聞くと、ベートーヴェンの音楽に、絶えず動き…

本岡浩子 チェンバロとフォルテピアノの夕べ

ザ・フェニックスホール。お話を交えながらのスタイルで、その語り口は、豊かな情報量を含みつつ、演説口調にならない上品なものでした。後半のシュタインを使ったモーツァルト(ニ短調幻想曲ニ短調)とハイドン(変ホ長調ソナタ)が、楽器の特性を知り尽く…

大阪シンフォニカー交響楽団第101回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。指揮者の寺岡清高は、高感度のオーディオ装置みたいにクリアなサウンドを作り上げるので、とても評価が高いようですが、私には、(前も書きましたが)調的和声の感覚のない人のように思えます。マーラー「花の章」のメロディの導音…

ヴィオラスペース2005大阪

イシハラホール。川本嘉子によるバッハ「シャコンヌ」に驚かされました。こんなに大胆で自由なアイデアをもっている人だったとは。ヴィオラという楽器にとって、舞台の中央に立つことは幸福なことなのかどうか。 この日、出演された他の三氏(今井信子、川崎…

片野涼子ピアノリサイタル

午後、ザ・フェニックスホール。明朗な音で丁寧に読み解くブラームス「3つの間奏曲」op.117が絶品。モーツァルト(幻想曲ニ短調、デュポール変奏曲)やカバレフスキーは、やや行儀が良すぎたように思いました。他に、ショパン「ポロネーズ」op.26-1と幻想ポ…

フィラデルフィア管弦楽団演奏会

午後、京都コンサートホール。フィラデルフィア管は、ギラギラしたところがなく、漆黒の最高級車のような安定感。チャイコフスキー「ピアノ協奏曲」でラン・ランが矢継ぎ早に繰り出す奔放なアイデア、指揮者エッシェンバッハの同「交響曲第5番」における、…

大阪フィルハーモニー交響楽団第388回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。井上道義の指揮で、オール・ラヴェル(「スペイン狂詩曲」、「左手のためのピアノ協奏曲」、「クープランの墓」、「亡き王女のためのパヴァーヌ」、「ダフニスとクロエ」第2組曲)。アクロバティックに書いてある場面で、アンサン…

「生誕250周年記念モーツァルト・ツィクルス」Nr.6 長岡京室内アンサンブル

京都コンサートホール小ホール。必ずしも行儀良くそろってはいないのですが、各パートの音楽(フレーズ)を作ろうとする創意の衝突が思いがけない効果をあげていたように思います。モーツァルト「ディヴェルティメント」変ロ長調K.137、「アイネ・クライネ・…

インターナショナル・チェロ・コングレス・イン・神戸2005「午後のベートーヴェン」

午後、神戸国際会議場メインホール。デュオ・ハヤシの二人によるソナタ第5番は、控え目なピアノをバックに、ややこじんまりした仕上がり。クラレットと上田晴子による第4番は、序奏からアレグロへの魔法のような移行、フィナーレのストップ・モーションな…

インターナショナル・チェロ・コングレス・イン・神戸2005「オープニング デュオコンサート」

午後、神戸国際会議場メインホール。シュタルケル、堤剛の師弟によるボッケリーニ「2つのチェロのソナタ」ハ長調に続いて、シュタルケルのベートーヴェン「ソナタ第2番」(ピアノ、練木繁夫)。甘ったるいビブラートのない演奏は、枯れたというより、若い…

マイタウンオペラ モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」

河内長野市のラブリーホール。若手中心のメンバーで、じっくり作り上げたアンサンブル。ただ、間延びしないことを第一に考えたと思われる音楽(指揮、牧村邦彦)、演出(松本重孝)は、ややせわしないところもありました。大阪シンフォニカー交響楽団が好演。

釜洞祐子プロデュース オペラ「カルメル会修道女の対話」

いずみホール。昨年の「春琴抄」に続いて、女性(たち)の生き方を問う作品。もしかすると、これがシリーズのひとつのテーマでもあるのでしょうか。主役級の人が集まり、女声が充実していました(ソプラノ:石橋栄実、尾崎比佐子など、メゾソプラノ:児玉祐…

岡部佐恵子ピアノリサイタル

午後、京都府立府民ホール・アルティ。1曲目のハイドンのハ長調ソナタ(Hob.XVI:50)は、大胆な曲想をとらえた意欲的な演奏だと思いました。2曲目のベートーヴェン(op.110、曲のスケールの大きさにやや苦戦)を聞いたところで、次の予定のため退席。

大阪センチュリー交響楽団第101回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。金聖響が指揮すると、アンサンブルが引き締まりますね。オーケストラが、前任常任指揮者、高関健の時代に近い能力を発揮しつつあるのではないでしょうか。彼がこのところ集中して取り組んでいるベートーヴェンは、回を重ねるごとに…