2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

リアリズムの条件:オペラの20世紀/テレビの20世紀とのつきあい方

一連のエントリーで考えたことは、リアリズムといっても文学(自然主義)と演劇(いわゆる新劇)と放送(実況中継)は、互いにリンクしているけれど存立条件が違っている、ということかと思う。19世紀に隆盛を誇ったオペラ劇場が20世紀に凋落したときのてこ…

読み替え演出のパントマイム的な演技

オペラの読み替え演出は言葉(歌詞)が指し示すのとは別の物語が進行するわけで、そういう舞台を見て何がどのように読み替えられているのか観客が受信できるのは、言葉なしに所作(と舞台美術)からドラマを読み取っているからだと思う。所作(と舞台美術)…

テレビ世代の口パクに対する特異な感受性について

ラジオとかテレビとか新聞とか、団塊ならびにそのジュニアの感性に縛られていてダルいよね。*ミュージカル映画の歌やダンスのシーンはトーキー初期からずっと口パクだし、アニメーションは歌だけでなく台詞も全部口パク(アフレコ)なのですが……。むしろ映…

フェアネスの実践:「相互補完的なヒエラルキー」の成立条件

長木誠司『オペラの20世紀』のケージ「ユーロペラ」を論じた節、625-626頁には、増田聡『その音楽の〈作者〉とは誰か?』で展開された「近代美学」批判に対する批判的な読解が含まれている。(初出は、未確認ですが『レコード芸術』の連載だと思われます。)…

演奏史譚「第三十五話 大阪にオペラを〜朝比奈隆と武智鉄二〜」

東京の人がこの話題を事実関係等についてノーミスで書いているのを初めて読んだ。読むべき資料に全部目を通していないと、こういう言葉遣いでこの話を書ききることはできないと思う。朝比奈隆の欧米視察の力点がオペラにあったことをさらりと書ける人って、…

有産階級の言論

一昨日ゲンロンカフェでの対談後、東さんや土居さんと深夜二時過ぎまで呑んで話して(私は時折寝落ち)改めて気付いたんだけど、二人とも話の前提が「経営者」なんですよね。話題に上る人達(津田さん等)も同様。「被雇用者」は私だけw。対話や交流に値す…