2017-09-01から1ヶ月間の記事一覧

リセット

言葉ではなんとでもいえるが、国政はファミコンと違ってリセットを実装してはいないのだから、別にファミコンは勝利などしていない。

ペーリ/カッチーニ「エウリディーチェ」の日本での上演

学生時代、国立音大の高野先生の集中講義が阪大であって、そのときに、先生が国立音大で「エウリディーチェ」を(たぶん演奏会形式で)上演したときのビデオを見せていただきましたが、記録としては、ペーリ「エウリディーチェ」は1970年の東京室内歌劇場(…

客演指揮者たち

国際的には9月から10月が新しい音楽シーズンのスタートなのだし、9月末のオーケストラの定期演奏会は、やはり、常任指揮者で開幕を飾るのが本来の姿なのだろうと思う。7月にインバルのマーラー、9月にスダーンのシューベルト、10月にエリシュカのド…

金子みすゞと「子どもの誕生」と疑似著作権

金子みすゞの詩は長らく忘れられていたが、岩波文庫『日本童謡集』の「大漁」を読んだ詩人の矢崎節夫らの努力で遺稿集が発掘され、1984年に出版されるや、瞬く間に有名になった。翌年の東京大学の国語の入試問題(1985年国語第二問)には「積もった雪」「大…

関根敏子

そういえば、彼女は先の関西歌劇団公演を観に来ていたが、終演後、帰りの時間の都合なのか、あっという間に会場を出た。(混雑する前に会場を出ることにしている私より、さらに前に退出する早業だった。)ご自身の日本オペラ史の関西歌劇団関係の記述は色々…

赤い陣羽織:補遺

東条さんは、おそらく関西歌劇団関係者か林誠に楽屋かロビーで訊いたことをブログに書いているのだろうけれど、いくつか情報に曖昧なところがある。まず、「赤い陣羽織」を「白狐の湯」と組み合わせた上演は、初演後、既に何度か行われています。つまり、こ…

武智鉄二と代々木忠

ところで、武智鉄二は「白日夢」のリメイク版を撮るときに、女優のキャスティングで代々木忠のところへ相談に行った、という事実があるらしい。またもや妙な偶然ですが、そんなことを、「赤い陣羽織」を観に行く日の朝に知った。

白狐の湯

歌劇「赤い陣羽織」は何度か見る機会があったけれど、1955年の初演を踏襲した「白狐の湯」との二本立ては初見。([追記] 関西歌劇団の「赤い陣羽織」を「白狐の湯」と組み合わせた上演、つまり「白狐の湯」の再演は過去にも例があり、これが初演以来始めての…

Omnibus

バースタインが音楽講座を企画主演した50年代の北米のテレビ番組がそういう名前だが。。

正面突破

ゲームにおける裏技の意義は限定的な気がしないでもない。

芸術と政治的抵抗

仮に西欧では今も芸術が政治的抵抗として擁護されているとして、それはどのような社会的文脈でそうなっているのか、そして普遍的・世界的に模倣追随できる立場なのかどうか。年寄りにとっても無関心ではいられないこの疑問を若手にばかり期待して丸投げする…

リヒャルト・シュトラウスの山越え

アルプス交響曲は後半の嵐のなかに牧場の主題や泉の主題が前半とは逆の順序で出てくるので、往路と同じ道を下山するストーリーになっていることがわかる。アルプス(ドイツ・アルプスのツークシュピッツェ)を「越えた」わけではなく、頂上まで行って戻って…

AIと中庸と脳筋

たぶん、「中庸」「ほどほど」は、それが成果を上げているとしたらAIに学習可能だと思う。GoogleのAIの碁は全然「原理主義的」ではないし、AIの着手が「原理主義的」だったら、プロ棋士たちがAIを「先生」と呼んで学ぼうとはしないと思うんだけどなあ。(誰…

オーケストラと雅楽・邦楽

ということであれば、大澤壽人のコントラバス協奏曲の緩徐楽章がフルートに微分音を吹かせて龍笛を模倣しているのは、面白いサンプルではないかと思います。武満徹と黛敏郎が全然違う音楽を宮内庁楽部のために書いたように、戦前の作曲家の雅楽・邦楽へのア…

管弦楽曲の自作自演:指揮者としての大澤壽人

20世紀音楽史を捉え直すときには、単体の作曲技法史から演奏との関係を加味した視点にシフトする必要があると思う。ざっくり言えば、19世紀以前の西欧の音楽は自作自演が前提になっていて、一方、20世紀後半の音楽は作曲(設計図を書く仕事)と演奏(図面に…

映画音楽と読み替え演出

ふと思ったのだが、「2001年宇宙の旅」で人類の誕生にシュトラウスのツァラツストラを使ったり、「地獄の黙示録」でベトナムの空爆にワーグナーのワルキューレを使うのは、20世紀末のドイツの演出家たちのいわゆる「読み替え」の遠い源流のひとつだったりし…

熱線と光線/オーケストラの魅力と限界

ゴジラが口から吐いていたのは、のちの特撮映画のヒーローたちのような光線ではなく、熱線(白熱線とか放射熱線と呼ばれるらしい)なのだそうですね。火炎放射は第二次世界大戦で実際に米軍が硫黄島などで使っていたようで、ナチスはサーチライトによる光の…