2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

コンサートの二重化、というお伽噺

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ゲーム化する世界: コンピュータゲームの記号論 (叢書セミオトポス)作者: 日本記号学会出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2013/05/15メディア: 単行本この商品を含むブログ (7件) を見る かつてはロンドン・フィルハーモニー協会、ウィーン楽友協会のように、…

弔辞風に

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日経夕刊に東京クヮルテット評が出たようです。

性愛と公娼

[追記あり] 慰安婦と戦場の性 (新潮選書)作者: 秦郁彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1999/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 68回この商品を含むブログ (19件) を見る 事実として何があったのかを追いかける丹念な記述を読みながら、戦場という限界状…

葬式仏教と冠婚葬祭音楽会と「町の写真館」的なプロフェッショナル

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2つ前に書いた「ピアノ・リサイタルがスターの満員御礼興行じゃなくてもいいじゃないか」の件。ちゃんと説明すると話が長くなりそうだと思って、続きを書くのに二の足を踏んでいたのですが、自分の立場を簡単に言えることに気がつきました。思想家・知識人…

用語集(最後に少しだけ、音楽ホールは「どこでもない場所」なのか問題)

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読みかけの本、読み終えた本を整理するついでに、今後二度と使うことのなさそうな、かなり気恥ずかしくかっこよさげな言葉たちについての覚え書き。

二枚舌はよくない

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[一部改稿、追記あり]まだ春先だったと思いますが、あるピアノの演奏会へ行くと、主催のホールの担当さんが「彼女は本当に偉いんですよ」と力説した。

ヴェルディ生誕200年の大新書(加藤浩子『オペラ改革者の素顔と作品』)

加藤浩子さんがイタリア・オペラについてお書きになることは、いつも判断の根拠がはっきりしているし、信用していいに違いない。ブログを拝見して、勝手にそう思っておりましたが、今度出た新書は情報がびっしり詰まって、なんだかすごい。 ヴェルディ: オペ…

春の珍事

ちょうど大学の教員と職員が別の職種であるように、どこの会社・団体でも現場の専門職と管理・事務職は別系統の人事にしておかないとうまく回らないのは少し考えればわかること。一昨年、とある団体の当時の担当者から「職種が合わない例外的な依頼なのだけ…

承前:だったら霊験あらたかな『音楽学』社を設立しよう!

学会誌は、会員である研究者コミュニティの情報交換の場ではなく、神社のような研究者のイニシエーション機関なんだから、そう宣言したらいいんじゃないか説、というのがあるようで、だったら学会とは独立採算の『音楽学』社を設立したらいいんじゃないか、…

「査読と推薦の文化史」を誰か書いて欲しい

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[念のため書き添えますが、音楽学の機関誌編集委員会には、別途、わたくしの返事&改稿原稿を送信しておりますので、もちろん先方からの公式のお返事はそれに対してなされるはずですし、その文面は、ここで不特定多数に読まれることを想定して書いているお話…

東京クヮルテットの日本デビューは……

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先日のさよなら公演のプログラムの記載やアンコール時のスピーチで言われたように「日本デビューはフェスティバルホール」なのだとしたら、それは1972年の第15回大阪国際フェスティバルのことだと思う(公式記録によると1972年4月15日)。カルテットの結成わ…

審査員の不規則発言

地方自治体(今話題の「あの人」が知事だった時代に知事公館で表彰式をやったこともある、知事本人は不在だったが)と、松下幸之助が創業した会社からの多額の寄付などを積んで地域振興事業に取り組んでいる団体が共催する一般参加型のほぼ2ヵ月にわたる毎…

「放送」という文化の教科書

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ちょっと気になることがあって、先日来ラジオのことを調べております。70年代のテレビ欄を調べたら、俄然、放送のことを具体的に考えられるような気がしてきた、ということもあるのですが、(そういえば、「具象から抽象へ、身の周りの具体的な経験を調べる…

アメリカに楯突く政治家は国内で搦め手から失脚する、の法則

(1) 20世紀の総力戦下で兵士の慰安とは何だったのか、という歴史認識 (2) 性産業をめぐる日本の言説の歪み (3) 沖縄の米軍には、基地の外での性犯罪をなんとかしろ、と言いたい(誰も言わないからオレがガツンと言ってやりました、という事後報告) これが発…

国威発揚と検閲と国民の自主性

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容赦なき戦争―太平洋戦争における人種差別 (平凡社ライブラリー)作者: ジョン・ダワー,John W. Dower出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2001/12/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 33回この商品を含むブログ (23件) を見る天皇と接吻―アメリカ占領下の日…

楽団史上2人目の「首席指揮者」

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法人(株式会社とか学校法人とか公益社団法人とか)は役所に登録する関係上、どういう役職をどういう名前で揃えるか、必要な構成メンバーがある程度標準化されているようですが、音楽団体と音楽家が契約するときは、そういう法律上の制約と音楽興行の実態を…

1970年代のクラシック音楽番組

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テレビという記憶: テレビ視聴の社会史作者: 萩原滋出版社/メーカー: 新曜社発売日: 2013/02/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 1960〜1965年生まれで、小学生の頃、テレビのある種の「黄金時代」を体験した世代はテレビに特別な愛着があ…

黄金週間の諸々:押し売りお断りと、コンヴィチュニーの「マクベス」のお掃除おばちゃん大活躍(と少しだけ「歌う国民」)

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書くタイミングを失したので無理矢理ここにメモしておきますが、ゴールデンウィーク序盤に、大阪の市長さんが憲法96条改正に躊躇するのは「国民投票否定」であり、国民を信頼していないことになる、と連呼しておりましたが、残念ながらそうじゃなくて、あれ…

プロ野球中継と梅棹忠夫

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前のエントリーに続くようなお話ですが、この連休はテレビの話をするのにちょうど良かったのでしょうか。5日には、父の百日法要ということで母と墓参りに行って、昼間、家に戻ってテレビを灯けたら松井と長嶋と総理の姿が東京ドームから中継されていました…

昭和30年代後半生まれの男の子のウルトラ体験、私小説でいくか、それとも「芸術音楽本」のフォーマットでいくか

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[5/7 最後に続報あり] ウルトラセブンが「音楽」を教えてくれた作者: 青山通出版社/メーカー: アルテスパブリッシング発売日: 2013/04/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (7件) を見る 青山通さんは1960年東京世田谷生まれで、「ウル…

オペラの周囲に繁茂する膨大な日本語文字情報を音楽ライターが圧縮する最新技術(『戦後のオペラ1945〜2013』、森岡実穂『オペラハウスから世界を見る』どちらもお値段1,000円以下!)

戦後のオペラ―1945~2013作者: 渡辺和,山田治生出版社/メーカー: 新国立劇場情報センター発売日: 2013/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 大阪梅田の丸善ジュンク堂で発見、購入。この価格でこの内容に、ただただ感心するばかり。最初の渡…

冷静な分析

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少し前に、 あれは、今やほぼ宗教ですから、外から見てると色々おかしいところは指摘できるし、早晩「奪回」や「マインド・コントロールの解除法」が開発されるでしょうから、それを待つことにします。 オーケストラのいわゆる「ミストーン」問題を本気で考…