アメリカに楯突く政治家は国内で搦め手から失脚する、の法則

  • (1) 20世紀の総力戦下で兵士の慰安とは何だったのか、という歴史認識
  • (2) 性産業をめぐる日本の言説の歪み
  • (3) 沖縄の米軍には、基地の外での性犯罪をなんとかしろ、と言いたい(誰も言わないからオレがガツンと言ってやりました、という事後報告)

これが発言の妥当な要約なのだとしたら、今回は珍しく、話題作りに狙い澄ました癖ダマを投げたわけではなく、いずれも、大筋ではそれほど突飛なことを言っているわけではないみたい。(賛否以前に、それぞれ、誰かが一度問題を投げかけてもよかろう、と思える範囲内。)

http://mainichi.jp/select/news/20130514k0000m040097000c.html

[追記:ぶら下がり取材の発言全文をみましたが、http://synodos.jp/politics/3894、この人、ワンフレーズに要約できない(してはいけない)話を順を追って説明するのは上手くない。上手く説明できないから話が長くなって、しゃべってるうちに「穴」が見えてしまう。で、そこを記事に拾われたようですね。「政治家の失言」(メディア・イベントとしての)の作られ方としては初歩的なケース。「追い風」がなくなりつつある今、勢いでスキップしてきた政治家のメディア対応のノウハウを基礎からやりなおさなきゃいけなくなっている感じだが、そんなことをしている時間はあるのか?!こうなると、小泉政権でおなじみ飯島勲が参謀役の御曹司総理との兵力差が辛い。大手タレントプロダクションと個人事務所くらいの差がありそう。]

人気も翳りが見えてきたし、憲法改正も無理っぽいし、記者が話を聞きに来てくれている間に、政治家として言いたいこと/言いたかったことを遺言として言っておこう、と話をしたら、その隙を突かれて「下品な発言」とフレームアップされ、スキャンダルに仕立てられた、という感じがします。

「話題の人」をつるし上げる、ジャーナリズムのいつもの儀式だなあ、と思う。

(1)と(2)が本筋のつもりで発言したのに、ついでに披露した(3)で一気に発火した、という風に見える。対米関係で「偽善」の鎧を脱ぐときは、細心の注意を払わないとアブナイ。日本で政治家さんになろうとすると、やっぱりそこが急所なのでしょう。

それ以上の感想はない。