2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

欠落の肯定

目録・データベースのために情報を蒐集していると、どこかの段階で、もうこれ以上はリストを埋めることはできそうにない、という段階に達する。そこで無理に空欄を埋めて、あたかもコンプリートしたかのように主張するのが「虚勢・知ったかぶり」であり、「…

余生の困難

山に住んでいるのだからこんなものか、と納得して、あとは、老後の楽しみでコイを集めることにしようと思い、涼しくなったのでふもとの水辺に降りると、天然の龍の第一形態と第二形態が同時に同じ場所に発生しているのに遭遇してしまった。(あたかも無欲で…

思弁と実証

speculation は底なしの懐疑を言葉として外化/表明し、一方、positivism は底なしの懐疑を物として外化/展示する。おそらくこの2つは、ホモ・ルーデンスの遊戯/退屈の2つの出口と言えるのではなかろうか?(意訳:Pを定時モニタリングしながら資料を黙々…

戦士と愛玩

いつのまにか「調べてもらう」なるメニューが追加されて、きみのは大きい、とか、小さい、とかチームリーダー氏がズケズケと論評するのは、集めたアイテムを愛玩の対象としてではなく戦士として評価するように促しているのだろうなあ、と思うわけだが、そう…

101回目

1週間の張り込みで花を開く準備が整ったが、好戦的な顔つきですねえ……。もう十分。引退の頃合いではないかという気がする。

地球という巨大なサイコロ - ギャンブルとは別の仕方で

前の記事の続き。私は管理と蒐集を欲望しない、というのはそうなのだけれど、それじゃあ、あれは、いったい何を管理・蒐集しているのだろう、と考えると、ギャンブルとは別の仕方で偶然 chance を取り扱う方法を提案しているのかもしれない、と思った。カイ…

私は管理と蒐集を欲望しない

レーダーが使えるようになって、特定の種を25匹集めて博士に送れば……、というのも、理不尽ではない程度に時間をかければ目処が立つようになったが、元来コレクションに喜びを覚える性格ではないので、興味はこれ以上長続きしないかもしれない。*仕掛けが大…

レーダーの解析

自宅から捕捉できる出現場所と出現スケジュールをほぼ把握した。方角はわかるが立ち入れないので未特定の場所に出るのが4件、捕獲可能なのが10件(自宅から捕獲可能なのはそのうち3件)。サクラ散る養殖(30分に10件)のほぼ半分、悪くないペースで、常時、…

知ったかぶりと大人買い - 21世紀のうさぎとかめについて

学生や若手知識人が知識先行の経験不足になりがちなのは、そういうものなのだから、周囲も本人も、それを認めたうえで、あたかも経験豊富であるかのような「知ったかぶり」を強いたり期待したりしないほうがいいように思う。高等教育の設計とは、知識先行で…

近代集落としての「農村」

新潟が米所になったのは、総力戦総動員下の大規模な治水・灌漑事業の結果であるらしい(ブラタモリ情報)。九州の農村も、おそらく似たような経緯で今日に至っているのではあるまいか?「失われた20年」の大都市での闘いに疲れた中高年がノスタルジックに語…

折檻と近代批判と江戸幻想

【折檻の語源・由来】 折檻は、中国の故事「漢書」の「朱雲伝」に由来する。 その故事とは、前漢の成帝の時代、朱雲が成帝の政治に対し厳しく忠告したため、朱雲は成帝の怒りを受け、宮殿から追い出されることになった。 しかし、朱雲は檻(手すり)に掴まり…

非・政府的領域

連邦制でまず顕在化するのは、反政府的ではないけれども非政府的な領域ではないだろうか? そのような領域を何らかのイデオロギーによる階層秩序で制御するのは、民主的ではなかろう、と私は思う。知識人であろうがなかろうが、リベラルであろうがコンサバで…

楽譜のヴィジュアル

ペータースの古い版だと、ドビュッシーのプレリュードがおよそフランス音楽に見えない。レイアウトとか音符の大きさや間隔とか、ちょっとしたことの積み重ねで、楽譜の「見た目」は随分違ってくるようだ。3月に、大阪音大の吹奏楽がティーダ出版の新しい楽譜…

学校の大人たちと学校の子どもたち

知識と経験の性急な合一が「リア充」として祝福されたり、知識に邁進する人々が、陰でヒソヒソと、経験を誇示する人々の悪口を言ったりするのは、成人版スクールカーストなのかもしれない。とはいえこれは、大人が子どもを模倣する未成熟な状態(近代日本は○…

「シン・ドイツ」の起源

ナショナリズムとインターナショナリズムの矛盾をエネルギーに変換するのが近代ドイツという表象(古代・古典時代が存在しない辺境地域に「神話」を語りうるかは一考を要する問題だろう)だとしたら、21世紀のドイツは、アングロ・サクソンやその子分たちが…

ドイツの「首都圏」、あるいは知識と経験の関係について

ドイツ連邦共和国(BRD)はドイツ民主共和国(DDR)と再統一されるまでラインラントに首都を置いていたわけだが、ドイツ連邦共和国の偽善的国際路線を批判する「音楽の国」三部作は、ラインラントの都市というより村に近い集落の規模や、その村々とパリとの…

熱い社会

このあたりまで来ると、天然であれ養殖であれ、捕獲して育てる狩猟牧畜生活が頭打ちになるようだ。団体構成員としての闘いで対価を得なさいというわけか……。なるほど、各地の名所に人が集まるわけだ。ユーザーのアバターは、拡張された現実を加工したり、得…

Camellia japonica

家の前に大きな実を付けている木があって、何かと尋ねたら、椿だと母が教えてくれた。 17世紀にオランダ商館員のエンゲルベルト・ケンペルがその著書で初めてこの花を欧州に紹介した。後に、18世紀にイエズス会の助修士で植物学に造詣の深かったゲオルク・ヨ…

涙する人々

オリンピックの日本のメダリストは、どうしてみんな泣くのだろう。当人の心境、現場の雰囲気は知り得ないが、放送された映像は、結果が出たことで緊張が緩み、今まで堪えていたものが堰を切ったようにあふれ出る、という風に切り取られている。個人を限界ま…

水辺の生物、山の石碑

八尾の母の家で線香を上げた帰りに小一時間くらい港に立ち寄る。(それ以上滞在するには暑すぎる。)なるほど山の中とは生態系が違う、というより、出過ぎですな(笑)。評判の場所に遅滞なく集まって、捕獲すると静かに去って行く方々の仕事ぶりも間近で拝…

定刻

自宅から捕捉できる範囲にスポットとソースがあれば、毎時定刻に巡回する地道なつきあい方が可能であることを昨日ようやく知る。(我が家は現状で1時間に3匹のペースになるようだ。種類はそれなりに豊富で、今まで知らずにその恩恵を被っていたらしい。)

ポスト・ネタバレ

宙づり状態(サスペンスとはそういう意味ですよね)で人を惹きつける手練手管があるのはわかるけれど、宙づり状態を作り出す仕掛けや結末がわかってしまったあと(つまりネタバレ以後)に、なおかつ、その現象とつきあい続けるとしたら、それは何によってな…

148

マス目が147までしかないのに、どうするんだろうと思ったら、148相当の場所に収まるんですね。

オーケストラのJALパック

「顎足付」の話の続きです。*ここ数年(主に東京の)オーケストラの海外遠征が増えているのは、私の知る限りでは、各オーケストラに出入りしているマネジメント事務所主導の企画ですよね。海外から人を呼んだり、海外に日本の人を送り出したり、音楽マネジ…

アナグラム

あっちこっちで「短い平成」(短かった20世紀から、まだ長いか短いか不明な21世紀への過渡期)が終わろうとしているようだが、これを「敗戦後的なもの」(もはや国家間の総力戦が不可能になった時代のはじまり)のリセットだと思うと、間違いそうな気がする…

象徴の濫用

あの五人組を「a symbol of the unity of the people」である、と主張するのは勝手だし、ファン心理というのはそういう風にヒートアップするものなのですねえ、ということだが、彼らは「the symbol of the State」ではない。

君は「顎足付」という言葉を知っているか?

この人、いつかきっとやらかすだろうなあ、と思っていたよ。 日本のオーケストラが海外公演に行くとき、現地の聴衆に聴いてほしいと思ったら、事前にその国のジャーナリストを日本に招いて記事を書いてもらうぐらいしないと相手にしてくれない。そんなお金な…

「風景の発見」説と人称論の効力

この時憲法九条は、柄谷が言文一致によって成立させたと指摘する「風景」「内面」「告白」の制度と対応させて考えることができる。柄谷は、近代文学が三人称客観文体を言文一致において確立したことを、「語り手の消去」として批判的に分析している。「語り…

His Majesty の English

彼の日本語を「声」として聞いたときに、この箇所は、すぐには意味が取れなかった。 天皇が象徴であると共に,国民統合の象徴としての役割を果たすためには,天皇が国民に,天皇という象徴の立場への理解を求めると共に,天皇もまた,自らのありように深く心…

メディア論の急速な経年劣化

昭和天皇の玉音放送は、50年以上過ぎてようやくラジオ放送として分析が施されるようになった。そして同じ人物の死をめぐる報道と社会現象については、商売気のある社会科学者が「フィールドワーク」と称して嬉しげに様々なデータをリアルタイムに集めて、そ…