2013-12-01から1ヶ月間の記事一覧
2013年のまとめ(http://d.hatena.ne.jp/tsiraisi/20131230/p1)に、ひとつだけ書き足して今年の最後とします。
どうやら、他の作曲家の呼称はともかく、フォレだけは、フォレが正しくてフォーレ表記は許せない、みたいなことを言うのは、吉田秀和信者の目印であるらしいことがわかった。ばかばかしい。
[「そして2013年度に入ってからの関西各種媒体での急激な露出の増加は、自然に評価が高まったというよりも、事業体の戦略的な取り組み、しかもおそらくは、アーツ・マネジメントの手法というより、即効性が期待できる一般商品のマーケティング手法を全面展開…
今の日本でのコミュニケーションの基本的なマナーは「自分の言いたいことを大声でがなり立て、相手を黙らせること」である。相手に「私を説得するチャンス」を与える人間より、相手に何も言わせない人間の方が社会的に高い評価を得ている。そんな社会でコミ…
フランツ・リストはなぜ女たちを失神させたのか (新潮新書)作者: 浦久俊彦出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2013/12/14メディア: 単行本この商品を含むブログ (6件) を見る 本屋で序文と目次だけ立ち読みして、「この本を音楽書としては出したくなかった」と…
中学校のシャルパンティエ作者: 小谷野敦出版社/メーカー: 青土社発売日: 2003/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る
文化庁芸術祭の受賞者決定プレスリリース(http://www.bunka.go.jp/ima/press_release/pdf/media_geijutsusai_131225.pdf)を見ると、今年の音楽部門は、「公益法人東京オペラシティ文化財団」「公益法人サントリー音楽財団」と、東西で公演を主催する財団に…
あれは無差別級異種格闘技だと思う。和声でも楽器の効果でも「動機労作」でも、使える「わざ」は何でも使う。使えるものは何でも使うくらいじゃないと、モーツァルトには勝てないし、ウィーンでは生き残れないと必死のパッチだったんだと思う。そういう意味…
観察者の系譜―視覚空間の変容とモダニティ (以文叢書)作者: ジョナサンクレーリー,Jonathan Crary,遠藤知巳出版社/メーカー: 以文社発売日: 2005/11メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 37回この商品を含むブログ (75件) を見るこの邦題は、列伝風に歴史上…
その1:そこまで特別なことが起きてはいないだろうと予想がつく演奏を、全身全霊の文飾を尽くして誉めている文章を読むと気が滅入る。何かの宗教にはまった人が身近にいる場合、こんな感じに精神に堪えるのかもしれないね。「目を覚ませ」というほどの関係…
また、今年9月にはフェスティバルホールの広い舞台を活用した「コンサートオペラ」を井上道義の指揮・演出により開催しましたが、来シーズンは井上が得意とするバレエ音楽を、東京バレエ団を招いてコンサート形式で開催。「祝祭のボレロ」と題し、井上道義…
ラジオでも話しましたが、たぶん、そういうことだと思う。上手い音楽家が上手に演奏して、いまいちな人の演奏がいまいちだったとしても、それは「あたりまえ」なのであって、ライヴイベントとしては、何も起きてない。その感じは、こういう風に定式化できる…
特別な雇用形態な人は話が別だけど、タイムカード押して時間給で雇用されてる人が、勤務時間内に副業をこっそり、もしくは、おおっぴらにやる、というのは、たいてい、何かの時限スイッチが入ったシグナルなのだと思う。「兼業」が長続きするのは、他の時間…
大栗裕に関する資料をあつめだした頃からぐちゃぐちゃになっている家の中のを少しずつ整理していますが、過去5年分くらいの演奏会プログラムを整理していて、2009年にザ・カレッジオペラハウスが「イドメネオ」をやっていたのを発見。児玉宏さんが一回だけ…
NHKのFMで今年のバイロイトを放送してますが、これをなんとなく流しながら、先日貸していただいた笹田和子(日本初のワーグナー=ローエングリンでエルザを歌った人)さんの資料音源を聴いたり、「未来の芸術 バイロイト祝祭劇100年」というシェロー/ブーレ…
「過去」とは立ち止まって振り返らないとアクセスできない場所のことであり、「未来」とは前進して到達すべき場所である、というように、時間を空間に投影する世界像は、なにかとても平板・貧弱ではないだろうか。そのような、まるで死ぬまで走り続ける陸上…
ピアノの音がピアノ「らしく」聞こえるためには、ハンマーが弦に当たるコツンという打撃音が要ることが知られている。(楽器のイロハ、今ではこの話は常識に属すると思う。)そして、西洋の音は「純度が高い」と主張する人が、相当強く弦を「ひっぱたく」弾…
「助手席感/助手席性」なる言葉を学んだ。 ユーミンの罪 (講談社現代新書)作者: 酒井順子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/11/15メディア: 新書この商品を含むブログ (25件) を見る 要は、八王子の呉服屋の娘が「保守」の水先案内人になった、という話…
今朝、これを読み終わって、 夜を賭けて (幻冬舎文庫)作者: 梁石日出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 1997/04メディア: 文庫 クリック: 20回この商品を含むブログ (16件) を見る映画は、東映で山本太郎なんですよねえ……。 今夜、これを、まず半分見た。 Iphige…
ウェーベルンの楽譜にだって「校訂」が入る、これをどう説明するのか。完璧だって? それを考え、語るために必要十分な装備とは何であり、その装備が手元にあるのか、というのが一点。考え得るあらゆる装備を整えてから行動した者と、とにかく行動せねばなら…
敢えて固有名詞を外して引用してみましょう。 たくましいリズムと贅肉をすべてそぎ落とした鮮明な表情は、ベートーヴェンの交響曲演奏に、新しい段階を画するものと言えよう。[……]私の脳裡には、大学紛争やベトナム戦争の頃迷い、プロテストし、破壊していた…
そういうのをことさら強く求める人は、たぶん、音楽を一方的に愛しているが、音楽からは愛されていない気がする。
ドイツのオトナたちは「身も蓋もない真実を簡潔に言い表す語法」を好む。 完成したコピーに非のうちどころはなく、コンクールでの高い評価を受ける。しかしまともに弾けるのはこれだけだ… ピアニスト、国立音楽大学大学院・今井顕の書評ブログ : 2013年12月 …
スター主義を徹底すると長大なガラ・コンサートになる(一般論)。ドゥダメル&スカラ座のアイーダとか。
音楽は神出鬼没で逃げ足が早い。たぶんキャプテンスバロウくらいすばしこい。歴戦の用心棒を雇って周りを厳重に囲んだから、これで安心、というものでもない。道端で不意に遭遇したら、キョロキョロあたふたしてないで、自力で対応するしかない。(というか、…
私自身は、演奏会形式のオペラというものに前からそもそも疑問があるのですが、そのことは、いつかちゃんと書くときまでの宿題にします。どういう風に作っていて、それぞれのパートがどんな風に関わっているのかということは、なんとなく様子がわかりました…
巧妙に「オレ」のコミットメントが消された戦争文学のような感じがする。 今50代や40代の社会の中核にいる人々は、冷戦の最中に育ち「次に戦争が起これば全面核戦争で世界は破滅する」といった戦争観を拭い難く植え付けられている。「オリンピック中継の…
日経に批評が出たようですが、自分の仕事の感想を自分で書く自家中毒みたいなことをするのは、自分がやるのも、他人がそういうやり方で口コミの水増しに精を出すのを見るのもウンザリなので、やりません。(そういうのは「内輪ウケ」と言って、オトナのやる…
わたしは事実を確認したいだけで何ら他意はないんだけど、ホールの皆さんは、門さんのモーツァルト室内管弦楽団がその作品のノーカット初演版を演奏会形式で十年くらい前にやったのは知らないのかな。石橋栄実さんとかが歌って、会場も今回と同じそちらのホ…
ミュンヘンだウィーンだと情報が入り乱れていますが、版自体がどうということより、やりなれたのと違う音楽があることで作品の感じが違ってきて、それが、モーツァルトをよく知っている歌い手、指揮者にとっては新鮮でモチベーションが上がっている、という…