日経に批評が出たようですが、自分の仕事の感想を自分で書く自家中毒みたいなことをするのは、自分がやるのも、他人がそういうやり方で口コミの水増しに精を出すのを見るのもウンザリなので、やりません。(そういうのは「内輪ウケ」と言って、オトナのやることじゃないとされている。)
最後に書いた「もはや神童ではなく、まだ大家でもない貪欲な挑戦者」というのが、主催者の企画のキーワードであるところのモーツァルトの(パリ・マンハイム旅行における)「飛翔」の言い換えであり、この言い換えが金聖響の演奏の特徴付けにもなっている、という文章の仕掛けは見やすいところかと思います。
で、同時に私は、言外に、いずみホールさんの攻めの姿勢もまた、「挑戦者」っぽいなあと思っているわけで、それじゃあホールさんが何に挑戦しようとしているか、そこがこの先の注目ポイントになりそうだ、という風なまとめ方をしているわけです。
必要な情報等は押さえた上で、短いながらも、読んで何か面白いと思っていただけるものを用意するのが私の仕事ですから。
(一方でホールさんのほうも、わたくしのことを「もはや新人じゃないかもしれないけれども、まだ大家じゃない」し、だから、こんな奴のことは無視だ、と言っているわけですから、お互いがお互いを(まだ)「挑戦者」にすぎない、と思っている緊張関係のなかから出てきた文章ということにもなるでしょうか(笑)。)
ちなみに、土曜日は他の仕事があるので、オペラは行きません。3回聴いて、どういう感じのシリーズなのか、だいたいわかりましたし、今回のキャストは、私が面白いと思えるモーツァルトとはちょっと違うものになりそうな気がしておりますので。