2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧
イシハラホール。肩肘張らずに楽譜を読み解いていく堅実な演奏。ハ短調変奏曲のシャコンヌのリズムや各変奏のリズムの個性をはっきり際だたせるやり方があるのではないか、最後のハ短調ソナタ、特に終楽章は淡泊すぎないか、といった感想を持ちましたが、シ…
ザ・フェニックスホール。「鳥の歌」と題した、ジャヌカンとルジュヌの世俗歌曲集。必要に応じて、お互いの声を溶けあわすこともできるし、声域の違いだけでなく、それぞれバラバラの声質で個性を主張することもできる芸達者ぶりがこのグループの特徴だと思…
いずみホール。やんちゃ坊主のように、ルーズだけれど抜け目のないスタイルがこの人の持ち味だとは思いますが、今回は崩れすぎ。シューマン「アラベスク」、「謝肉祭」、リスト「ペトラルカのソネット第47番」、プロコフィエフ「ソナタ第6番」。
午後、京都府立文化芸術会館。上村昇・河野文昭と上森祥平・林裕・藤森亮一、二世代が良い形で組み合わさって、毎年、本当に楽しみな会です。媚びることなく、威張ることもない、良質のサークル活動。ヴィヴァルディ「協奏曲」ト短調、ラロ「間奏曲」、チャ…
午後、京都府立府民ホール。癖のない声で、言葉と表情が無理なく伝わるというのは驚くべきことだと思います。まさに花束のように色とりどりの選曲。ピアノ、船橋美穂。 フォーレ「花と蝶」、「イスファーンのバラ」、シューベルト「世咲きすみれ」、モーツァ…
ザ・シンフォニーホール。大植英次の指揮で、プッチー二「トスカ」(演奏会形式)。大植・大フィルがやれば、オーケストラが単体でまとまってしまい、それ自体としては端正で迫力十分だろうけれど、声が添え物になってしまう……というのは、ほぼ予想通り。横…
午後、京都コンサートホール小ホール。合唱団・京都エコーのメンバーによる世俗・宗教合唱曲集。「アヴェ・ヴェルム・コルプス」と「戴冠式ミサ」がきれいにまとまったのは、下野竜也のオーソドックスなアプローチのおかげ。弦楽合奏版「アダージォとフーガ…
ザ・フェニックスホール。19世紀東欧から20世紀に大西洋を経て北米へ、そして満州を経て日本へと伝播したロマ(ジプシー)とユダヤ人楽師(クレズマー)の音楽。市民社会的なネーションの垣根を横断するその地下水脈的な広がりを見極めたいという講師、伊東…
京都コンサートホール。指揮、大友直人。メンデルスゾーン「スコットランド交響曲」は、個性のない語り口だけれど、寒々とした序奏、ひなびた城、明るい太陽の下での踊りといった音色の変化は見事。台詞や演技はいまいちで映像は美しい、ファッショナブルな…
いずみホール。バッハ(「パルティータ」第2番)やベートーヴェン(「ソナタ」ホ長調op.109)を、声が響き合うポリフォニーというより、ディスカント声部の浮き立たつ、美しいモノローグに仕上げたのは一つの解釈と言うべきでしょうか。後半はシューマン「…