2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

放送音楽作曲家たちの咀嚼力

大澤壽人が留学から戻って東京と大阪で数度開いた自作自演オーケストラ演奏会の批評を見ると、東京では同業者が新参の洋行帰りの足を引っ張るようなことをして、関西では、耳の悪い評論家が同時代の音楽にお手上げで、「理解できない」としか言えない、とい…

「ミカド」のダンスとギャグのセンス

バーンスタイン「ミサ」でオペラ歌手たちがしっかり踊れていたことを考えると、「ミカド」の歌謡ショウ風のダンス(パラパラした手振り)が板に付かない中途半端なものだったのは、現在のオペラ歌手の水準云々というより、どういうダンスを作るか、方針や振…

阪神間山手モダニズムとキリスト教

巻末の謝辞には、取材先・資料提供者として、高島忠夫や飯守泰次郎と並んでわたくしの名前が入ってしまう巡り合わせになっておりますが、本文を読むと、留学までの神戸、関西学院時代で既に、惜しげもなく次々登場する名前に圧倒される。関西に限定されない…

プロとアマの境界に花開く都市文化の可能性

関西(とりわけ大阪)のクラシック・コンサートが減って、地元の「プロ」と呼んで良いのかはっきりしない手弁当団体と、東京や国際市場につながった公演の配合比率は、なんだか戦前・昭和前期に戻ったような感じがするが、そうなってみると、大阪の特性は手…