2016-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「痴れ者」考

ひとつ前のエントリーで「音痴」の語を使った。「音痴」は、今では「canon批判」の文脈で、政治的に正しくない言葉に分類されている。西洋音階こそが「規範」であり、そこから外れる伝統音楽の音感は「音痴」とされた。(実際、「音痴」の語の初出は大正時代…

外交音痴:TTPをTAPから類推してはいけない

「現代思想」の生き残りみたいな人たちは、20世紀末の「canon批判」のアップデート版として「権威批判」とか「卓越性全般への敵意」という観念を設定して、これが今後の日本でさらに過激に進行するであろう、と予測しているようだが、そこには、北米の環太平…

総論賛成

「日本の人文」に、角界における外国人力士の台頭であるとか、囲碁界を席巻するAIプログラムであるとか、に相当する何かを導入するのは、総論として、ありだと思う。(GoogleのAIと人間の対戦、人間の3連敗、について、武宮正樹が「囲碁は体力を使う。連日の…

機械運用のリテラシー

http://tsiraisi.hatenadiary.com/entry/20160429/1461895967

三本足のユニヴァース

目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)作者: 伊藤亜紗出版社/メーカー: 光文社発売日: 2015/04/16メディア: 新書この商品を含むブログ (23件) を見るいい本だった。奇しくもここにも、四本足の椅子と三本足の椅子、というように、4と3を対…

二拍三連

2015 年反安保デモのシュプレヒコールは Migos 的か?: 日本語とラップのリズムについてちょっとした考察 | Philo-MUSIC and Phenomenology ver.2 βMigosのラップって、めちゃカッコイイのですね(=無知)。勉強になった。あと、動画が埋め込まれている「安…

ドイツ研究のためのフランス語

無意識に封印していたかもしれないことを思い出した。ウェーバーという作曲家は間違いなく面白いし、1990年代半ばの段階では、作品全集の計画が立ち上がったところで、今からでも何かできるかもしれないとかなり本気で調べていたが、「壁」になったのはフラ…

ご意見伺い

http://tsiraisi.hatenadiary.com/entry/20160428/1461805367

言語の複数性

というときに、母語と外国語、という枠組を前提にすると、2種類の言語の関係や使い分けを考える、という形で、「2」を基本に考えることになりそうで、それはつまり、「私の言語」と「他者の言語」の2種類ということになるわけだが、ひと頃さかんに言われ…

続・ロングシート車両を呪う者

http://tsiraisi.hatenadiary.com/entry/20160427/1461749234

大和宰相

「あっという間だった。だから、心がついてきていないのだ。」 「誰もが身の丈から外れた暮らしの中で、溺れかけている。それが今の大坂城だ。」(真田丸)

「青春」という方法

http://tsiraisi.hatenadiary.com/entry/20160427/1461717092

天草エアライン

iPhoneのカメラは、ズームだと画像が粗くなり、図柄ははっきり見えないけれど、熊本空港から天草エアラインが伊丹にも飛んで来た。イルカの親子が描かれているらしい。(画像は、天草エアライン - Wikipedia)くまモンをキャラクター展開した小山薫堂が、テ…

大阪取引所

北浜の交差点の五代友厚の銅像の後ろの建物に、今は「大阪取引所」の文字が大きく掲げられている。「大阪証券取引所」をGoogleで画像検索するとわかるが、大阪に証券市場があって、ここが「証券取引所」だった数年前までは、何の表示もなかったようだ。大阪…

類似の指摘

http://tsiraisi.hatenadiary.com/entry/20160425/1461541055

人文科学のTAP (Trans-Atlantic Partnership) 交渉

20世紀末の北米人文学者たちによる「canon批判」とは何だったのか?日本では、大学院重点化と同時期の動きということになり、旧制高校出身の長老学者たちが退場したタイミングで、大学を欧州モデルから北米モデルに大幅に近づけようとする制度改革と半ば偶然…

個人研究と機関研究

バッハ、モーツァルト、シューベルトのようないわゆる「大作曲家」については、既に国家プロジェクト規模で数多くの研究者が何世代にもわたって動員されているので、今では、最高に能力の高い人材であっても、個人がそのすべてを把握して、卓越した業績を上…

無風の週末

今週は金曜、土曜に大阪で大きな演奏会がないなあと思っていたら、4つのオーケストラは、どこも明日24日に向けて練習日なのでした。https://www.facebook.com/OIF1958家で買ったままになっていた本を読む。 「ヒロシマ」が鳴り響くとき作者: 能登原由美出版…

1930年代の「国際性」

フランス六人組やヒンデミット、プロコフィエフやバルトークが華々しく世に出た1920年代は、国際協調と民族自決の時代。ショスタコーヴィチのレニングラード交響曲やコープランドのリンカーンの肖像の1940年代は、英米ソと独日伊が交戦した戦争の時代。この…

ロングシート車両を呪う者

http://tsiraisi.hatenadiary.com/entry/20160422/1461328018

陽光を浴びて

伊丹空港の第二滑走路32Lに着陸する旅客機は南東から北西に向かって進むので、午前中、庄内に接近するときは思い切り逆光になる。これは午前九時頃の朝の着陸ラッシュ時。別の日の正午前(公園の時計が脇に写った)だと、真上に最接近した瞬間がちょうど逆光…

canon批判をcanonizeする代用教員組合について

canon批判で世に出た人は、その所作をcanonizeしがちである。これは、「60年代若者文化を70年代以後21世紀になっても美化しつづける団塊・全共闘」という図式で既におなじみのものだと言って良いだろう。(そのような図式の批判こそが、和製カルスタのcanon/…

思考の複数性

http://10plus1.jp/monthly/2016/04/issue-03.php未来に向けた構想 design が複数あり得て、それを存在とみなせば世界の複数性を主張できる、というのは、とりあえずいいと思うのだけれど、「行為としての思考の実在」は、design もしくは project だけに適…

「コッピーにあらず」(2)

歴史のゆらぎと再編 (岩波講座 現代 第5巻)作者: 佐藤卓己,大澤真幸,杉田敦,中島秀人,諸富徹出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2015/11/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 最後に、音楽代表という感じに、音楽史記述に関する輪島祐介先生の論考…

帝国大学の「コッピーにあらず」

「偶然に賭けて最高点を叩き出す」とか、それ、誰もあんたに期待してへんで。わかってると思うけど。もう、そんなんは、ええんとちゃうの。

2016年4月19日零時十一分

日本の大学院重点化は、学問における「客観性」の語を適切に清算することができなかったり、デモクラシーが人望の政治ではないことを適切に理解できていなかったりする人材に、あたかも戦前の代用教員のように急増で学位を授与する制度であったらしきことが…

ロケハン

大学のなかから見える飛行機の大きさはこれくらい。東側の通りに出るとオペラハウスの脇に良い感じに収まるけれど、これはトリミングした画像で、実際はiPhoneのカメラでこのサイズ。ひとつ北の交差点へ移動すると、ひとまわり大きく撮ることができるが、な…

自虐のループ

http://tsiraisi.hatenadiary.com/entry/20160418/1460914549(まさか、とは思うが、増田先生は、おそらくとても忙しかったのであろう2015年秋の増田聡先生の応対のまずさに文句を言う白石知雄が、この種の「自虐のループ」にはまっていやがる、と思っている…

ワレモノ考

自衛隊に災害制服つくったらどうかと、ファッションよりの人間としてつぶやいたところ、ひたすら、予算どうするんだというリプライばかりくる。なんだか、今の日本っぽい反応だなあ。*大学ってのは、話がうまい人が壇上で喋るところではなくて、話す価値が…

大角欣矢の無責任

メディア掲載レビューほか2015年11月28日、東京藝術大学の奏楽堂に高らかに鳴り響いた日本初のカンタータ“交聲曲「海道東征」”のライヴ録音。1940年(昭和15年)の初演から70年以上を経た今回、オーケストラ、合唱、児童合唱、総勢260人という大編成の演奏陣が…