2008-01-01から1年間の記事一覧

クラシック音楽の越冬対策、2008年関西のベスト・コンサート(モーストリー・クラシック2009年2月号)

etc

モーストリー・クラシックの2月号2008年回顧で、関西のベスト・コンサートを5つ挙げさせていただきました。 MOSTLY CLASSIC (モーストリー・クラシック) 2009年 02月号 [雑誌]出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2008/12/20メディア: 雑誌この商品を含むブログ…

音楽文化史の陥穽?(東谷護編著『拡散する音楽文化をどうとらえるか』、国際日文研シンポジウム「戦間期大阪の音楽と近代」)

最近読んだ本と、先日参加させていただいたシンポジウムのお話です。 拡散する音楽文化をどうとらえるか (双書音楽文化の現在)作者: 東谷護出版社/メーカー: 勁草書房発売日: 2008/12/06メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (8件)…

ラフマニノフの曲目解説(かんでんハーモニアスファミリーコンサート大阪フィルハーモニー交響楽団9/26、大阪フィルハーモニー交響楽団第422回定期演奏会10/16,17、大阪シンフォニカー交響楽団第130回定期演奏会12/4)

etc

この秋のシーズンは、なぜかラフマニノフの曲目解説を立て続けに書くことになりました。先日の秋山和慶さん指揮・大阪シンフォニカー(本番は残念ながら聴けませんでした)の解説は、ウェブ上で公開されています。http://www.sym.jp/critic/k/t_130.htmlそう…

〈増殖〉するアングルブラケット 水村美苗『日本語が亡びるとき』に寄せるオマケの作文

etc

〈本書〉に〈言及〉する〈文章〉は、なぜ〈律儀に〉〈キーワード〉を〈山括弧(アングルブラケット)〉〈で〉〈囲みたがる〉〈のだろう〉。 日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で作者: 水村美苗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/11/05メディア: 単行本…

前略 加野瀬未友様

etc

この記事は「うーん、読んでも自分のためにならなさそうな本だなあ…」と思っている自分の中での認識整理であって、第三者に納得してもらおうという文章ではないよ!と前置きをしておくよ!(保険保険) http://d.hatena.ne.jp/kanose/20081111/japaneseruined …

水村美苗という人の「釣り」?(「日本語が亡びるとき」)

etc

音楽とは直接関係がないのですが、水村美苗「日本語が亡びるとき」という本を読みました。(11/16追記あり) 日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で作者: 水村美苗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/11/05メディア: 単行本購入: 169人 クリック: 12,657…

飯森範親「ボクにはシェーンベルクはわかりません」(いずみシンフォニエッタ大阪第20回定期演奏会)

いずみシンフォニエッタ大阪がシェーンベルクの室内交響曲を演奏するというので、京都の大フィル特別公演(大植英次)を諦めてこちらに行きました。

中丸美繪「オーケストラ、それは我なり 朝比奈隆 四つの試練」を読むためのブックガイド

少しずつ紙媒体には書評も出ているようですので、朝比奈隆生誕100年の年に出た中丸美繪さんの評伝について。(あわせて、中丸さんの前著、杉村春子伝についても後半で書いています。)(11/5、全体の構成を見直しつつ、「朝比奈隆とブルックナー」の項目…

「日本戦後音楽史」上・下

昨年前半に出た本で、読まねばならないと思いつつ後回しになっていて、ようやく購入しました。 日本戦後音楽史〈上〉戦後から前衛の時代へ 1945‐1973作者: 日本戦後音楽史研究会出版社/メーカー: 平凡社発売日: 2007/02メディア: 単行本この商品を含むブログ…

京都アルティ合奏団

etc

8月末の「夕鶴の世界」(京都府民ホール・アルティ)という公演に行ったら、プログラムの裏表紙に告知が出ていました。府民ホール・アルティの開館20周年記念事業として、新しいグループを立ち上げて、12月に第1回演奏会、ということのようです。 京都ア…

「モーツァルト→ハイドン→ベートーヴェン」という順番、それから「起業する音楽家」のこと(岡田暁生「CD&DVD51で語る西洋音楽史」)

岡田暁生さんの新著「CD&DVD51で語る西洋音楽史」には、この人にしか書けないと思わせられるところがもちろんたくさんあって、「ヤラレタ」と思ったのは、ウィーン古典派の話を、年齢・生まれ年の順番(ハイドン→モーツァルト→ベートーヴェン)ではなくて、…

1950年代、晩年の大澤壽人の消息について(追記:日本の洋楽における「コスモポリタニズム」のこと)

etc

(9/7、最後にやや長めの「追記」あります。)「関西の作曲家について調べるんだったら、神戸に大澤壽人という作曲家がいますよ」と、ある人から伺ったのは、2004年の春頃だったと思います。でも間もなく、既に片山杜秀さんが遺族とコンタクトを取っているだけ…

丸山眞男と吉田秀和が1歳違いの同年代であるということ

etc

ふと気になって、何人かの戦後日本の作曲家(および音楽関係者)の生年月日をウィキペディアで調べてみました。きっかけは、小熊英二『〈民主〉と〈愛国〉』。 〈民主〉と〈愛国〉―戦後日本のナショナリズムと公共性作者: 小熊英二出版社/メーカー: 新曜社発…

西村朗の大阪、朝比奈隆の大阪、いずみシンフォニエッタ大阪第19回定期演奏会

一ヶ月前(7/3)の演奏会のことになってしますが……、この演奏会は、前半(アダムス「室内交響曲」、ヒンデミット「木管、 ハープと管弦楽のための協奏曲」)が今ひとつで(指揮者の責任ではないか?)、後半は、オリジナル編成の伊福部昭「土俗的三連画」を…

「花形座長・朝比奈隆」生誕百年

etc

今日は、指揮者、朝比奈隆百回目の誕生日にあたる日なのだそうで、出かける前であまりはないのですが少しだけ。

平成19年度(第62回)芸術祭総覧、第50回大阪国際フェスティバルの大植英次指揮、大阪フィルハーモニー交響楽団(6月7日)

etc

●芸術祭総覧のこと平成19年度(第62回)芸術祭総覧というものが手元に届きました。昨年度の芸術祭の公式報告書のようなものなのだと思います。芸術祭というと、参加申請に書類を作るのが大変とか、色々なご意見もあるらしいのですが、とりあえず審査経緯など…

サントリー音楽財団コンサートTRANSMUSIC 2008 対話する作曲家 望月京×岩村原太(いずみホール)

若手作曲家が他ジャンルのアーチストを指名してコラボレーションするシリーズの6回目。昨年が江村哲二さんと茂木健一郎氏で、江村さんはこの演奏会の直後に亡くなったので間もなく一周忌ということになるのですね。演奏についての感想は批評を書くことにな…

第6回大阪国際室内楽コンクール本選

いずみホールに朝から晩までいて、弦楽四重奏のピアノトリオの各4団体(ということは、バルトークの3番とベートーヴェンの作品132、ベートーヴェン「街の歌」とシューベルトの変ホ長調トリオを各4回)聴きました。(審査員の方は、これが一週間続いたので…

第6回大阪国際室内楽コンクール

いずみホールで、第6回大阪国際室内楽コンクールがはじまっております。http://www.jcmf.or.jp/competition/index_j.htm他の諸々の予定の合間を縫って(新大阪で明日の演奏会http://www.oaa1985.com/kikaku/kikaku_2008thu.htmlの打ち合わせをしたり、福島…

いずみホール・オペラ〜岩田達宗プロデュース〜「ランスへの旅」

佐藤美枝子(コリンナ)をはじめとして、関西出身の主役級の人たちをよくぞ集めたという感じのキャストによる公演(佐藤正浩指揮、ザ・カレッジオペラハウス管弦楽団ほか)。これだけ音楽的に充実していれば文句のつけようがないですね。ここでは、岩田達宗…

劇場と「集会の自由」

etc

先日、NHK-BS1でベルリンの壁崩壊の経緯を振り返るドキュメンタリーを観ていたら、ドイツ座という劇場での集会が東ベルリンの50万人デモの発端になったことが紹介されていました。文化施設は、表演者の発表の場であるだけでなく、不特定多数の「集会」の場で…

黒船の「国難」は本当に深刻だったのか - 奥中康人「国家と音楽」

明治政府の音楽取調掛と上野の東京音楽学校で、日本の唱歌運動を主導した「洋楽受容」黎明期の最重要人物、伊沢修二の思想と足跡を、故郷、信州・高遠藩の洋式軍楽・少年鼓手時代まで遡ってまとめた本。 国家と音楽 伊澤修二がめざした日本近代作者: 奥中康…

ヴェルナー・テーリヒェン氏と関響(大フィル)

etc

元ベルリン・フィルのティンパニー奏者で作曲家のテーリヒェン氏死去。http://okaka1968.cocolog-nifty.com/1968/2008/05/post_c494.html http://plaza.rakuten.co.jp/timpanibar/diary/20080501/このニュースを読んで思い出したことがありました。

現場で行われた2つのスピーチ、本山秀毅(びわ湖ホール声楽アンサンブル専任指揮者)と平松邦夫大阪市長(大阪フィル「星空コンサート」)

etc

昨日の文章は、午後からびわ湖ホール声楽アンサンブルの定期演奏会に行って、そのあとで書いたものです。批評を書くので、内容・感想はここには書けませんが、指揮は専任指揮者の本山秀毅さん。物静かな印象の方ですが、休憩後に「今日は、いろいろ騒がれた…

盛り場の「文化」と、景観の「脳内イメージ」(満開の桜でお琴が出てくる橋下大阪府知事について)

etc

(最後に「追記」あります。そしてその後面白すぎる記事をみつけたので、「さらに追記」しました。)やはり大フィルその他への補助打ち切りも大阪府改革PTで検討されているようですね(asahi.com: http://www.asahi.com/national/update/0426/OSK20080426001…

新進ヴァイオリニストにイザイの無伴奏は必須なのか?

etc

先日、ある若いヴァイオリニストさんのリサイタルの批評に、こういう一文を入れさせていただきました。 なお、イザイの無伴奏ソナタは、本来、のらりくらりと進む達人の枯れた「話芸」を聴かせる曲であり、若手の腕試しに利用する風潮は根本的な誤解だと思う…

演出いろいろ、大栗裕「赤い陣羽織」(武智鉄二/井原広樹)、ウェーバー「魔弾の射手」(シュテークマン)、モーツァルト「フィガロの結婚」(グート)、ヴェルディ「アイーダ」(コンヴィチュニー)

大阪も東京も演出が話題のオペラが相次いでいますね。大阪では(=50回目になった大阪国際フェスティバル)、ザルツブルク制作をもってきた「フィガロ」が一昨日(4/20)に終わりまして、既に東京で話題になっているコンヴィチュニーの「アイーダ」は今夜で…

服部緑地のセンチュリー・オーケストラハウスには、かつて大阪府音楽団がありました。

etc

大阪府との折衝はこれからなのでしょうけれど、大阪センチュリー交響楽団のこととか、7万人以上の署名が集まりつつある応援団のこととか、おぼろげに様子が見えてきて、私個人としては、どういう結果が出てくるにしても気になるのはその先のことだな、と思…

両論併記:大阪センチュリー交響楽団の「象徴的な意味」はさておき、現状がどうなのか?

etc

本当に時間がないので、とりあえず資料・証言等をいくつか貼ります。小異に目をつぶって大同に付くのが「運動」の基本。署名運動は、「文化を守れ」という大きな主張のシンボルとしてやっているわけだから、大阪センチュリー交響楽団の財務実態や、オーケス…

大阪センチュリー交響楽団は本当に「増員」を目指していたのか?

etc

昨日の大阪センチュリーの定期演奏会、伊東恵さんのブラームス2番を聴きたかったのですが、原稿がどうしようもない状況になっていたので断念しました。会場ロビーで署名を募る予定と聞いていたので、それも見ておきたかったのですが……。