大阪センチュリー交響楽団は本当に「増員」を目指していたのか?

昨日の大阪センチュリーの定期演奏会、伊東恵さんのブラームス2番を聴きたかったのですが、原稿がどうしようもない状況になっていたので断念しました。会場ロビーで署名を募る予定と聞いていたので、それも見ておきたかったのですが……。
そういう状況なので本当に一言だけ。

本命はセンチュリーの処遇問題だろうと噂されていた(真偽は私にはわかりません)「在阪四オケ統合問題」が出てきたあとの状況=このままでは財団基金が底を付くとされている状況で、音楽監督をはじめとする大阪センチュリー側から、つい最近まで何度となく、「将来は現状の2管ではなく、もっと大きな編成を目指したい」というメッセージが発信されていました。

私にはこの段階でそういうメッセージを発信するセンスが理解できませんでした。

それだけ。

橋下知事プロジェクト・チームの予算削減案が、本当に減らすべきものを全部ちゃんと減らそうとしているのか、そこはよくわかりませんが、それはそれ。

「総論賛成・各論反対」という言い方がありますが、この件については、「総論(橋下プラン)反対・各論(センチュリーの処遇)賛成」と言いたくなってしまいそうで、なんだかなあ、と思っております。

上(大阪府)には、「お金はいくらあっても足りないのだ」と大きいことを言って、下(府民)から署名運動が起これば、とりあえず大丈夫、という読みなのでしょうか。

案外それで上手くいくのかもしれないので頑張ってください。

会場に行くことすらしなかったダメな大阪府民としては、これ以上は何も言えません。

本日のいずみホール「大栗裕の世界」には何があっても行きます。

財布の紐が固すぎるくらい固い大フィルとしては、思い切った企画であると思うので是非応援したい。(再び宣伝)

[追記]私のところにも署名を求める「緊急要望書」が回ってきました。短期間に驚くべき段取りで草の根署名運動が展開しているようです。要望書は「大阪センチュリー交響楽団を応援する会」名義で、発起人には、「日下部吉彦」「中村鋭一」「難波利三」「藤本義一」といった名前が並んでいます。やや年齢層が高めですが、関西の「お茶の間」にはテレビを通じておなじみの名前ですね。昨日の演奏会にはテレビ取材が入っていたとも伝え聞きました。ロビーには、「応援する会」発起人が姿を見せて署名を募り、舞台上では指揮者の小泉さんがスピーチしたそうです。センチュリー側は、テレビで「絵になる」場面を完璧に段取りした。「目には目を」タレント知事にはテレビ報道を、という作戦のようですね。センチュリー問題の主戦場は、どうやらコンサートホールから、テレビの「生活情報番組」へ移行しつつあるようです。(ちなみに、関西以外の方はご存じないと思いますが、関西地上波テレビの平日午後3-6時の時間帯は、数年前から各局競ってぶちぬきの「生活情報番組」をやっています。朝日放送(テレビ朝日系列)は勝谷誠彦、宮崎哲哉なんかが出演していて、結構、硬派な内容を丁寧に扱っています。橋下知事をいじりたくて仕方がなかった在阪各局に、センチュリーが周到な段取りで「素材」を提供した形ですね。ひょっとすると、桂ざこば師匠やハイヒールのモモコさんが大阪センチュリー交響楽団についてコメントすることになるのかも。すごい空中戦になってきたなあ、というのがとりあえずの感想です。)[追記おわり]