2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

バカがバカ同士で集まってキャーキャー騒いでいるのは、そこにお金が集まったりするから注目を集めるわけだが虚しい

……という風に演出された社交界が物語の土台にあるので、コンヴィチュニーのトラヴィアータをみていると、どうしても、現実の世の中で「バカがバカ同士で集まってキャーキャー騒ぎ、そこにお金が集まったりするから注目を集めるわけだけれども虚しい」という…

場面の組み立てにプラモデルのような決まった手順はない

昨年の「魔笛」はとにかく場の数が多いヴァラエティショウのような作品で、コンヴィチュニーは、ひとつひとつの場面の演劇としてのスタイルを万華鏡のように変えていくので、まるで演出テクニックのカタログをみているようだったわけですが、それぞれの場面…

初日、離陸

……ということでトラヴィアータをみっちり勉強する10日間がやって参りました。この日を万全のコンディションで迎えることを最大の目標にして1年を過ごしてきたようなものなので、待ちに待ったしあわせな時間でございますから、ここからしばらく、世間のこと…

オペラ「Nスペ」

このところ作品化された「語り」に興味をもちつづけている私としては、日曜夜9時の公共放送で多くの人の関心を引きつけることのできる人物を中心に据えたドキュメンタリーは、最高の条件で制作された新作オペラの初演に見えてしまう。もともと、わたくし、…

マイホームの外部、庭に棲むカタツムリのこと

商品は通常、買ったら家に持ち帰るので、自分(の好み)に合う、合わない、というのが、たぶんかなり大事な判断基準になる。音楽も、CDを買うときにはそれに近いかもしれない。この音楽、このジャケットが自分の部屋にあるのは嬉しい、とか、ちょっとこれは…

個人崇拝

日本とは、とか、日本人とは、とか、資料や遺跡から千年以上の歴史がある広大な土地の特徴を一発で言うことが可能なのかどうか、私にはさっぱりわからないけれど、各種統計などで、「団塊の世代」と呼ばれる戦後生まれの人たちが、この島のなかで、ずっと「…

バルトークは「女好き」

女性ヴァイオリニストに対しては、若き日のヴァイオリン協奏曲のシュティフィのときとか、レメーニに翻弄された2つのラプソディとか、一方的に入れあげて、ぷいっと逃げられちゃったようだが、28歳のときに16歳のピアニスト、マルタと結婚して、15年後に離…

デスピーナとは何者か?

コジはあと1回を残すのみで、意見が揃ってきたようですが、正直、あの舞台をみて「遊び」「おぶざけ」を肯定している、と思った人がいるのにちょっと驚いた。たぶん、(とくに関東とか他所からいらっしゃった方々などで)お客さんがいちいち受けていたのを…

クッキーの辻占と三津五郎

刑事コロンボがイタリア移民の二世という設定で、セレブの前で庶民っぽさをあれこれ口にするのは、どこまで本当でどこからが誇張や出任せなのか判然としない態度で、下からもぐりこんで煙に巻くキャラクターなのだと思われ、ミンストレルショウの地口とか、…

日本センチュリーの夏休みバード・フェスタ:ブルジョワとブリバエフ

センチュリーの定期でトロンボーン協奏曲(いかにも原案は吹奏楽という感じの曲調)が演奏された作曲家ブルジョワという人のことは、前に吹奏楽曲を解説したことがあったはず、と確認したら2013年春の大阪音大の吹奏楽演奏会(丸谷先生が大栗裕イヤーの締め…

自分たちのビジネス・コネクション・ネットワークで流通している情報だけが「世界」であって、その外側は無である、と思う人たちは、「ネオ社交界」と呼んでほっとけばいいらしい、良いことを知った(笑)

等速直線オペラ

兵庫県立芸文センターの年1回のオペラが着実に経験を積んでいるような気がする。[日曜に行く予定が諸事情で不可能になり、結局、同じ組の水曜23日の公演に行きました。]外国の見た目も美しく完成度の高いプロダクションが、カーセンのキャンディードのとき…

他人のことはともかく、自分自身に特段の思惑がないときは、「人は誰しも裏に思惑を秘めているものである」などともったいぶらないほうがいい、そういう大げさな物言いこそ、誤解と混乱の元です

学位のデノミ

日本国は、学位への不信の蔓延に対処するため、大学院重点化以後に授与された課程博士を修士に切り下げ、修士号を学士に切り下げて、学士号は単なる課程修了証明とする、ということでどうか。これで、オボちゃんの学位は剥奪せずとも消滅する。すべての大卒…

名前と肩書き

何かを調べて確認したわけではないが、私の漠然としたイメージでは、「生国と名前」くらいしか名乗るべき事柄をもたないアウトローの外れ者が一宿一飯の恩義で身を寄せた親分のために命を張るのが任侠の仁義(高倉健/マキノ雅弘的な)で、高度成長期の会社…

80年代顕彰の夏

インバル、インバルと騒ぐのは、マゼール追悼祭と軌を一にしたアラフォーや50歳前後の「懐かしい80年代」追悼行事なのか。「やっぱり豊かな時代を知らない人と、音楽の話はできないわよね」って。ちょっとズレるけど、ヤベタツがJ-Classicだった頃、とか……。

(人間群像)

(演劇人……はすぐに客をどやしつけたり、動員が荒っぽいから困る。プロはいい。学生演劇とかやってた「自称」は始末に負えない。)(ニセ教祖俗世を解脱した達人を気取るには、何十年か前の手垢のついた教説を暗記して繰り返すに限る。一般人には、どこかで…

イソップ的

十年がかりで粛々とモグモグ藁を消化して、遠大な計画をこなしつつある牛に、お母さん蛙が半年後に突貫工事でお腹をふくらませて勝負を挑む気満々であるらしい。同じ作曲家の同時期の作品だからといって、誰も、それとあれが正面対決、などとはハナから思っ…

ナショナリズムとメロディー

『オペラの運命』の国民オペラの章を読みながら、音楽のナショナリズムは、様式論にしてしまうと「創られた説」になってしまうわけだが(そしてこの本でその要点は押さえられているわけだが)、肝心なのは旋律論ではないかという気がしている。(「創られた…

アントワネットにおまかせ!

「シェンカーやピッチ・クラス・セットが嫌なら、自分で分析すればいいじゃない♪」

保守と革新と老人と子供

数十年前かそれ以前の価値観に固着した目で今の世界を眺めれば、なるほど奇妙なことは多かろう。あるいはあらゆる条件がすべて最大の効率で満たされることがなければ実現できない(ということは現実化することが事実上不可能な)理想を掲げて今の世界を眺め…

ヒステリックな絶対評価より冷静で素朴な相対評価で手を打つほうが便利なことが時にはある

20年前にバリバリに働いていた中堅を「時代を先取りの大胆な人事」で抜擢したとして、それから20年が過ぎたら、その人は既にベテランなのだから、それほど強烈に攻めの姿勢を維持できるはずがない。新しい試みを準備する一方で、表看板がそのベテラン氏なの…

アジテーション

「公演は夏と冬の年2回。営業に押されて、夏は親子で出かけるファミリー企画。奴らは、“この条件を飲んでくれたら、冬は好きなことをやらせて あ げ ま す ヨ ン(ハート)”と言いやがる。あげます、ってその上から目線が気にくわねえんだよ。だが、まあい…

キレイゴト?

疑問を抱かれそうなことがあれば、率先して正直に答える。様々な事情が絡み合って、明瞭な即答が困難なときには、半年かかっても一年かかっても十年二十年かかっても、死ぬまで「現在作業中」の道半ばになったとしても、その複雑な事情をひとつずつ切り分け…

らしさが出た日

大阪フィルがフェスティバルホールでブルックナー。この会場でこのオーケストラがこの作曲家のシンフォニーを鳴らすと、サマになるんだなあ、と、しみじみ思った19日午後の定期演奏会2日目。なにやら、フェスティバルホールはこれまでの1年数ヶ月が慎重の…

公然の不仲

http://blogs.yahoo.co.jp/katzeblanca/25940954.htmlレイボヴィッツがブーレーズと不仲なのは数年前に出た本にも書いてあるようだし、公然のことなのでは? "With a red pen, [Rene] Leibowitz began marking up the manuscript [to Boulez's first sonata]…

人間臭さを拒絶した音楽とその結末

近藤譲《線の音楽》アーティスト: 近藤譲,高橋悠治,篠崎史子,小泉浩,山口恭範,高橋アキ,佐藤紀雄,篠崎功子,篠崎正嗣,永島義男,志村菊夫,曽我傑,川合良一出版社/メーカー: ALM RECORDS発売日: 2014/07/07メディア: CDこの商品を含むブログ (4件) を見る

新しい標語

や ら れ た ら や り 返 す 。 百 倍 千 倍 の 微 笑 み が え し 。

新しい霊性(New Spirituality)

現代宗教とスピリチュアリティ (現代社会学ライブラリー8)作者: 島薗進出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2012/12/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見る

学位は変動相場である

外国の大学へ留学しようとして書類を取り寄せたりしたことがある人ならわかると思うが、高等教育制度は国ごと大学ごとに様々なので、どの国とどの国の修士号しかうちの国(大学)ではM.A.とは認めない、とか、通貨の為替市場みたいに学位読み替えの規定があ…