- 作者: 島薗進
- 出版社/メーカー: 弘文堂
- 発売日: 2012/12/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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伝統宗教がある程度の世俗化を経ながら存続した時代(プロテスタンティズムと資本主義って、ちょうどそういう議論ですよね)があって、戦後50年代60年代はニュー・エイジ、新宗教の時代と見ることができて、さらにその次の時代として、今は、パーソナルな「新しい霊性」と呼ぶしかない動きがある。宗教社会学には、そういう説があるらしい。
反知性主義的な下地のあるところに理詰めであんまり追い込むと、個人がここへ身を寄せるしかなくなってしまうのかもしれませんね。
思えば、つい先頃、ニュー・エイジ的な瞑想と親和的に思えるミニマリズムが讃えられ、
さらには、エコロジカルであったり、自然回帰であったりする動植物の愛玩が打ち出された。
こういうものに親しみを抱く人のところに、程よく近しい存在の死の知らせが舞い込むと、栄養分がたっぷり入ったゼラチンの培地に、スピリチュアルの種を一滴垂らして、シャーレの蓋を閉めたようなものかもしれない。
なるほど、この状態は、新しい霊性が人工的に高速増殖するかもしれぬ。赤信号。
[周りがケアして、一人にしないほうがいいんじゃないか。また、ふとしたきっかけで極端なことを言ったりやったりする波が来ている気がする。世俗的安定化の道を望む。]