2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

インドネシア考: オカルトとニューサイエンスを東アジアが架橋する

インドネシア1967大栗裕は関西テレビの「インドネシヤ」という連続番組の音楽を1967年に担当していて、このほど、これがドキュメンタリー番組だったとわかったのだが、しかしなぜ1967年だったのか?……と調べたら、政治・経済情勢のようですね。スカルノ退陣…

第3章

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音響電信技術と「神の声」Audible Past の電信を扱う3章で、電信の音からリテラルな情報だけでなく通信相手の状態・感情を聞き取り、相手に親密さを覚えることがあったというエピソードが出て、ここに、遠慮がちに視聴覚連祷の語が久々に出てくるが、これは…

沈黙の階調

写真の「黒色」にも階調がある、という話はデジタル写真の時代になっても続いていて、どういう手順で色を混ぜて黒を作って、どういうインクでどういう紙に印刷するか、ということに取り組んでいる方々がいらっしゃるらしい。視覚や色彩の認知がどのようにな…

ワーグナーとルール工業地帯

カール・エルンスト・オストハウスという銀行家の一族の芸術好きがいて、ルール地方の工業地帯に文化的な潤いがもたされるべきだと考え、資材を投じて地元ハーゲンに美術館や芸術学校を作ろうとしたそうだ。そして彼が考えた芸術村構想の設計にはブルーノ・…

三木佐助

鉄道唱歌は、大阪の三木佐助が出版してヒットさせたんですね。渡辺裕や色々な人がそのことはきっと書いているのだろうけれど、ちゃんと読んでいないので、知らなかった。1825年に貸本屋として創業した河内屋佐助商店の4代目店主で、1888年にオルガン販売を…

営利と国益 - 鈴木剛さん(1982年)の場合

住友銀行頭取から朝日放送社長、プラザホテル社長を歴任した朝比奈隆の盟友、鈴木剛(京都帝大経済学部卒)は、日経新聞「私の履歴書」で、大正11年の住友の入社面接のとき、「キミは国家存亡の危機には、国益と会社の利益のどちらを優先するのかね」と訊か…

熱海と関西人

八月の末で馬鹿に蒸し暑い東京の町を駆けずり廻り、月末にはまだ二三日間があるというのを拝み倒して三百円ほど集ったその足で、熱海へ行った。 ブラタモリ(昨年末の放送の録画)によると、熱海が全国区の温泉場になり、大阪から熱海へ行く人が増えたのは丹…

関連して transcription について

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transcription を採譜と呼ぶときには、「聞こえ」を「書く」という行為を想定している。「音響」を「書かれた記号」に移し替えるというわけで、まさしく Audible Past が取り扱う案件、ジョナサン・スターンの言い方に倣えば、listening という身体技法の実…