2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧
「relativism」と「相対主義」のズレを考えているうちに思いついたのだけれど、ローマ字の書記システムは、relativism が relate から派生して……というようなことが文字面でわかるようになっている。music のようにラテン語の向こうにギリシャが透けて見える…
実は今年は吹奏楽文献を読む授業というのもやっていて、奥中先生の幕末鼓笛隊のドラム譜解説を読み直したときには、アウフタクトのリズムに口唱歌を当てていることにちょっと感動した。(本が今は手元にないので譜例を揚げることはできないけれど。) 幕末鼓…
相対主義(そうたいしゅぎ、英:relativism、独:Relativismus、仏:relativisme)は、経験ないし文化の構成要素やそれに対する物の見方が、その他の複数の要素や見方と相対的関係(is relative to)すなわち相互依存関係(is dependent on)にあるという考…
レコード大賞は初台の新国中ホールでやるんですね。いつからこうなったのだろう。去年の第55回の音楽監督・編曲・指揮は服部隆之だったらしいのだけれど、今も「レコード大賞スペシャル・バンド」という名前でハリウッドチックなオーケストラサウンドがびっ…
マンガとシュールレアリズムをコマ/フレーム、キャラ/フィギュア(図)、複数の時間というような概念で比較する話が私には面白くて、ポピュラー音楽でこういうのはないんかっ、あったま悪いのう、とおっさん臭い野次を飛ばしたくなっていたのですが、アル…
つい10日前にアルティ四重奏団でガリツィンのイ短調の四重奏曲を聴いたばかりでもあり、「第九」の見え方が私のなかで変わりつつある。これぞベートーヴェンのシンフォニーの集大成であり、ロマン派の誇大妄想的なカンタータ交響曲への道を開く孤高にして異…
(30歳であの容姿であのキャリアはネット民のかなう相手ではないと知るべきだ、と、音大非常勤講師がつぶやいてみる。(意味のわからない人は放置してください))
浮世絵と印象派を付き合わせる19世紀末のジャポニスムの第二ラウンドなんじゃないか、という気がしないではないけれど、マンガが絵画のシュールレアリズムの専門家からどう見えるか、という話が結構面白い。 マンガを「見る」という体験―フレーム、キャラク…
28日は京都コンサートホールで大野和士・京響の第九。29日はフェスティバルホールでスダーン・大阪フィルの第九。本当は2つまとめて批評で取り上げられないかと思ったくらい個人的に気になっていた「対決」だったのです。新聞批評で年末の公演評を新年に載…
[門井慶喜] 建築の仕事って江戸時代までは究極の実学、体力仕事で、頭でっかちな人にはできなかったはずなんですけれども、昭和になるとコンクリートという画期的な建材が実用化されます。コンクリートは要するに粘土みたいなもので、物理法則に逆らわない限…
23日は心斎橋で、とある会合。25日は難波、法善寺の近所で、顔合わせを兼ねた集まり。26日は本町で、別の打ち合わせ。年末になって、ふだんはめったに行かない大阪のど真ん中に連日通うことになった。本町で打ち合わせが終わったのは、ちょうど会社の終業の…
日経24日夕刊に出たようです。今年聴いた演奏会のプログラムを全部出してきて、淡々とそこから選んだらこの3つになった。執筆依頼があった直後は、センチュリー&山形合同のマーラー「復活」の、オケではなく合唱団とソリストが印象的だったので、これを入…
増田聡「朝日新聞の今年の回顧記事のクラシック音楽編で佐村河内事件に一切言及されてなかったのにも少しびっくりした」白石知雄「えっ、讀賣のクラシック音楽回顧は普通にその話も入ってるみたいだけど」http://www.yomiuri.co.jp/culture/classic/clnews/0…
能を読む-2 世阿弥 神と修羅と恋作者: 梅原猛,観世清和,天野文雄,土屋恵一郎,中沢新一,松岡心平出版社/メーカー: 角川学芸出版発売日: 2013/03/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る
(追記あり)
先日のアルティ四重奏団の演奏会のプレトークはいくつか絵を見ていただきながら18、19世紀の弦楽四重奏や室内楽の背景をご説明する形にしまして、そのなかにウィーン会議の有名な絵の話も入れさせていただきました。描いたのはJean-Baptiste Isabey。フラン…
「オレの意見は、上にとっても下にとっても急所を突いて耳が痛いから、誰も正面から受け止めることができないんだ。オレってサイコー」vs.イタい意見だから放置して生暖かく見守っている「オレ」の周囲の上下の人々。(辛い現実を見た。そっとウィンドウを閉…
「東方の三博士」と称されることが多い新約聖書の挿話を引き合いに出して、学術博士の称号を持つ大学教員が我が身の不遇を愚痴る風習がこの国の一部に認められるが、「エヴァ世代」でもある90年代量産型学術博士の皆さんは、マギという言葉をご存じないのだ…
(スローガンという名の花火を打ち上げることに興じていると、そのうちロケット花火をチャペルに何発も打ち込んじゃって、青春を14年間も卒業できなくなっちゃったりするから、スローガン=花火は「やりすぎに注意しましょう」。)[さて、そしてチャペルに花…
「「きっぱりと明快な意見を述べなさい。どっちつかずで曖昧な意見を述べるのは黙っているよりも悪い」というのが「正しい」ことになった」と言われても、へえ、そんなもんかねえ、くらいにしか思わないので、別に私は、きっぱりと断定するか黙り込むかのど…
まさにおっしゃる通りですね。「あの人のことはよく知っているし、とても好かれているし周囲の評判も良いけれど、これこれこういう理由でAという案件には賛同できない」そのような是々非々なしには、日々の暮らしは成り立ちませんね。別に今日が何の記念日…
(まだ、なんか言うとるなあ。私も知らんうちに「We」にカウントされている、みたいな無茶苦茶なことをしないのであれば、別に誰が何言っても自由やけど。)[ちなみに、祖父の家のあった土地(今は竹藪で固定資産税が免除されるくらい評価額は低い)を巡り巡っ…
たまたまそういう日程になったに過ぎませんが、先の土曜日はアルティ四重奏団の演奏会のプレトークのお仕事をいただいたので打ち合わせとリハーサルの見学で朝から京都へ行ってそのまま本番(ベートーヴェンのパトロンの話を少し前に調べていたのはこの演奏…
劇場でもホテルでも役所でも、人が集まる場所はどこでもそうだと思うが、表から見える空間は建物のほぼ半分程度でしかないと思う。半分は「関係者以外立ち入り禁止」のバックヤードだ。なぜそうなるかというと、公共性という人工的なしくみを円滑に存続させ…
ユジャ・ワンをYouTubeで探して聴いてみた。身につけている布の分量が相対的に少ないことで知られる人らしいですが(笑)、この人の演奏姿をしばらくみていると、ああ、ピアノの鍵盤というのは横一直線に細長いんだなあということに気づかされる。どんな曲を…
黒木瞳もいいこと言うじゃないか。
「クラシック音楽史」なんて講義名は、現状では、むしろ、なさそうな気がする。さがすまでもなく「いかにもありそう」と思われているとしたら、その思い込みがどこから来たのか。(おおかたまた例のマスダにばかされとるのだろうが。)現実には、君らが思うほ…
名付けを舐めて茶化してはいけない。
サンプル1:http://www.kojinkaratani.com/jp/essay/post-42.html柄谷行人はややこしいことを考える人、という印象があるけれど、ひとつひとつの文は短かくて、構文はシンプル。1文が100字を越えることはないみたい。 私は一九九〇年代に、カントからマル…
鈴木涼美様には、父を語る、というのをやって欲しい。東大理論社会学の皆様は、舞踊研究家鈴木昌にはあまり興味がないかもしれないけれど……。家族から見た素顔の父を語る、じゃなく、学者として鈴木昌を娘はどういう話法で語るものなのか、気になる。(今は…