2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

引用は、出典が永遠不滅ではないからこそ、出典への手がかりを残そうとするのではないだろうか?

引用されている文が最初に作成されたときから現在までのすべての更新履歴が、引用文にメタデータとしてくっついてくるのであれば、引用元へのポインタは不要かもしれないが、いちいち、そんな巨大なデータをやりとりする時代が来るかどうか、私にはわからな…

ゴルトベルク伝説は、セキュリティ・ホールを塞ぐアップデータが既に配布されています

東京書籍『バッハ事典』より(序文によると、執筆は礒山雅)。 「ゴルトベルク変奏曲」の標題もここ[1741年の出版譜]には見当たらないが、これはバッハの死後につけられた通称で、由来は、フォルケルの『バッハ伝』に記された次のエピソードにある。[……]この…

他者との共振

他者の死は、語の最も厳粛な意味で「他人事」である。共感・共振の名の下に、他我の埋めようのない差異を乗り越えて、仮想的にともにありつづけようとすることだけが、この厳粛な他人事に対する唯一の対応であるとは思われない。それを他人事であるとは容認…

今時“事なかれ主義”かよ、と言うなかれ

[追記あり]

「一生懸命作ってます」 ← 何を? 何のために?

「再現実験の中身を見ていただければ(捏造ではないと)分かる」「僕たちはSTAP細胞を一生懸命作って最後は住民の判断を仰ぐ。STAP細胞を作るにはこの手段しかなかったという説明をこれからやっていく」 「都構想の議論の中身を見ていただければ(法律違反で…

「アンタはエラい!」

[改題、追記あり]

愛玩

保険のセールスは、一人暮らしのおばあちゃんの家で一緒に茶飲み話をするところからはじまると言われる。(嘘か本当か知らないが、そういうイメージはある。)そういう個人と個人のつきあいを入り口にしてお互いの利益になる関係なり契約なりが成立するのは…

直行便

フランクフルトからサンパウロまで直行便で約12時間らしい。日本からドイツまでと同じくらいか。北半球からだと、どのルートでも遠いんだなあ、とテレビのなかのメルケルをみながら思う。ヨーロッパから極東はすごく遠い、ということでもあるが。でも、ここ…

真面目の解剖:serious music と E-Musik

ドイツで教養主義と大衆化がせめぎ合っていた19世紀後半に、「真面目な音楽 E[rnste]-Musik」と「娯楽音楽 U[nterhaltungs]-Musik」の区別というのが言い出されるようになった。そして、おそらくこれを拡張して継承しようということだと思うが、いわゆる「現…

サン=サーンスのある風景

大フィルで協奏曲を2つ、いずみシンフォニエッタで「動物の謝肉祭」。ひと月に3度もサン=サーンスでございました。

その作品を「改悪」したのは誰か?

一見、前のエントリーと反対のことを書くようだがそうではない。川島素晴が宮沢賢治の童話をもとに書き上げたナレーションと室内オーケストラのための作品(旧作を一部改訂したとのこと)は、真剣に読み込んで、より条件の良い場で再演する価値のある作品・…

「語りを舐めるなよ」

(ドスの効いた安岡力也の声で、あんまり口を大きく開かずに、「がだりぼだべるなよ」くらいのつもりで、ダーティーに読んでください。……ホタテ)

客より前にスタッフが「すごい、うまい、ぶったまげた」とか盛り上がったら醒める、というのはジャンルを問わず、基本であろう

スラトキン&リヨンwith五嶋龍と重なってるからねえ……。劣勢の時間帯をどういう戦術で乗り切るか、そこには、イケイケのときとは別のノウハウが必要であろう。相手の守りが堅いのに、右だ左だ前だ後ろだ、と、ロングパスをやたらと投げ込んで前の選手を大き…

チューバの有無、トロンボーンの有無

プロコフィエフのピアノ協奏曲を1番から順に聴いて、3番でサウンドがすっきり整理されたな、と思っていると、この曲のオーケストラはチューバが入っていないのだった。ヴァイオリン協奏曲のほうも第1番はチューバあり、第2番(コパチンスカヤが先頃録音した…

メロドラマと笑い

「刑事コロンボ」のマイブームが佳境に入って参りました。

Mamoru Samuragochi / Takashi Niigaki. Symphony No. 1 “Hiroshima” (2003)

なるほど、この作品は、これからはこの連名表記で行くわけだな。http://www.erso.ee/?concert=hiroshima-final-concert-of-the-season&lang=enインパクトファクター絶大な科学雑誌論文を取り下げるというのでいまだに迷走が続く万能現象とは、別の道を歩み始…

「7月」の定義

(7月はもう夏休み、なんて、誰が決めたの。中高生の都合、中高生を抱えている親たちの都合なんて、複雑に入り乱れる現代社会では、ごくごく一部分じゃない。テストが終わってダラケ切った高校生が我が物顔な電車のなかで、オジサン、オバサンは静かに仕事…

通勤素粒子の研究

「朝の通勤の混雑」なるものについて。最大の効率を求めて、電車の乗り継ぎ等の所要時間を最短にして、さらには、どの列車のどこに乗ると改札に近いからここがベストだ、というように日々チューンナップを重ねた結果、特定の時間の特定の車両の特定の扉のあ…

ホフマン物語

「国際フェスティバル」には、オーケストラ公演だけじゃなく、こっちを持ってきて欲しかった。合唱が立派だから、ダフニスとクロエも盛り上がっただろうとは思うけれど……。この形にすると、ミューズ/ニクラウスが一層おいしい役ですね。チョーフィが一人三…

「並の作曲家」の正体を君は知っているか?

今年は授業で学生さんと一緒に岡田暁生の本を読んでいると前に書きましたが、具体的には『オペラの運命』で、実はこれを、小岩信治『ピアノ協奏曲の誕生』と平行して読み進めています。同じ19世紀の劇場の花形であるとオペラと、コンサートの花形であるコン…

メロディー・リズム・ハーモニー vs 音高・音価・音量

http://blogs.yahoo.co.jp/katzeblanca/25909587.html土曜日に大フィルのエロイカを聴いたところだけれど、メロディー(モチーフ)、リズム、ハーモニーといった伝統的な枠組みを一度取り払って、別のパラメータで音楽を捉え直す、というのは、そこへ足を踏…

教訓

周りから嫌な顔されたくらいで挫けずに、自分の座席はガッチリ確保しよう。田舎者と思われてもいいじゃん。その場かぎりのことだし。私は過剰な親切のほうが嫌だな。

ありもしない「外国人の立場」

この試みの機会を与えてくださったのは岩波書店編集部の十時由紀子氏であった。初めてお目にかかり、企画の説明を承ったときにとくに嬉しかったのは、妙な言い方になるが、いくつかのことを氏が私から期待しないでいてくれることであった。[……]十時氏ははじ…

往年の「バロック音楽ブーム」 クルト・レーデルの周辺

カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの生誕300年。ニ短調のフルート協奏曲は比較的取り上げやすいということで、あちこちで演奏されているみたいなのですが、この楽譜を整理・出版して広めたのは、ミュンヘン・プロ・アルテ室内管弦楽団の創始者でフルー…

「二世」が「大王」になるとき

メンツェル“サンスーシのフルート・コンサート”―美術に見る歴史問題 (作品とコンテクスト)作者: ヨストヘルマント,Jost Hermand,神林恒道,三浦信一郎出版社/メーカー: 三元社発売日: 2014/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る

バルトークの高値安定

先週、ブラームスの弦楽器と鍵盤楽器のデュオ・ソナタを全部まとめて極上の演奏で聴くことのできるチャンスがあったとされるちょうど同じ日に、バルトークの主要作品の楽譜で、まだ持ってないものをまとめて購入しようと楽譜屋へ行ったら、結局、くだんのコ…

「にあわないのが新しい」

……ゴン、と言っても若い人には通じようもないが(笑)。たぶん、弦楽四重奏でプログレ、というのは、いかにもカルテットに合いそう「ではない」ところが燃えるのではないのかなあ、と、なんとなくそう思った。既成の殻を破る、って奴ですか。うーん、だから…

バカ狩り

「亡国」の危機感(←これ自体叫ばれるのは何度目なのやら)を背景に、ニセモノ探しに続く有望株と目される2014年半ばのトレンド。レッドパージとの関連は不明。夏だ、祭りだ、ワッショイ!の一種。ヒトは、代議制民主主義がバカでも参加できる、賢人支配より少…

入れ子構造

前に『アルテス』(電子版)で岡田暁生が「ルール工業地帯は凄いぞ」と書いていたことがあり、何だか変な感じがした。

現場レポート

パナソニックが、ブラウン管カラーテレビやプラズマテレビの主力工場だった大阪府茨木市の事業所用地(約12万平方メートル)を年内に売却する方向で検討に入ったことが17日、分かった。