らしさが出た日

大阪フィルがフェスティバルホールでブルックナー。

この会場でこのオーケストラがこの作曲家のシンフォニーを鳴らすと、サマになるんだなあ、と、しみじみ思った19日午後の定期演奏会2日目。

なにやら、フェスティバルホールはこれまでの1年数ヶ月が慎重の上に慎重に色々なことをチェックする試運転期間で、この大フィル定期が本当のこけら落とし、ここが本当のスタート地点なのかも、という気がしました。

(聴きに行く方も、大フィル定期は4回目で、月一回ここへ通うこと、そして、広い会場のなかのどこでどういう風に時間を過ごすか、ということについてもそれぞれのペースができあがって、「ホームグランド」なコンディションがようやく整った感じがあったんじゃないでしょうか。)

ブルックナーは金管全パートのファーストにアシスタントが入っていたのだそうで、これは指揮者のリクエストだったらしい。「奏者に優しい思い遣りのある指揮者!」なのかと思っていたら、そうじゃなくて、最後までバテた音を出してもらっちゃ困る、という意味だったのだそうで、実際に聴いてみたら、90分間(←まではいかないけれど……)のゲームのあいだ、決して足が止まる時間帯のないプレイを要求する厳しいコーチなのでした。

(リズム感が良すぎて、楽器間でややこしくクロスするところを正確に吹くことに過剰にこだわったのは、2楽章の一番盛り上がったところとか3楽章の音が薄くなるところとか、ちょっと音楽がせせこましいかな、とは思ったけれど、おおむね、ひきしまって、でも、骨格のしっかりした大きな柱の立つ演奏でしたね。)

やっぱり、大フィルは7月にひとつのピークが来るオーケストラのような感じがある。

そして同じ頃、東京では、シンフォニーホール時代を支えた大植英次が、東フィルで彼らしい仕事をしたようですね。