大フィル戦後70年三部作

たとえば、今年の11月から12月にかけて、戦後70年絡みで大フィルがほぼ1週間おきに信時潔「海道東征」、アールトネン「ヒロシマ交響曲」、ショスタコーヴィチ「レニングラード交響曲」を演奏したのは、上の話の一例になるかもしれない。

3つ並ぶと色々なことが言えそうで、とても面白かったわけだが、東条みたいに現在のマスメディアに発想が最適化してしまっている人は、最初の皇紀2600年の信時潔でオーバーフローして発言が迷走してしまうわけです。

大フィルがフェスティバルホールという大きな会場に移ったこととあわせて、クラシック音楽の「帯域を広げる」とはどういうことか、考える材料になる気がします。

(春の「大阪4大オーケストラ」とあわせて、今年の井上道義と大フィルは、チマチマした音楽ジャーナリズムに収まらない「大きなこと」を2つやったわけです。

大阪音楽大学の創立百周年記念式典もフェスティバルホールで行われて、裏方は大フィルのスタッフさんがお手伝いしてくださっていたようだし、あそこは「大阪の大きな会場」として特別で、クラシック音楽団体であそこをちゃんと稼働させることができるのは、今のところ大フィルなわけですね。

ただし「海道東征」はシンフォニーホール、「ヒロシマ交響曲」は兵庫芸文だったけど……。)