イソップ的

十年がかりで粛々とモグモグ藁を消化して、遠大な計画をこなしつつある牛に、お母さん蛙が半年後に突貫工事でお腹をふくらませて勝負を挑む気満々であるらしい。

同じ作曲家の同時期の作品だからといって、誰も、それとあれが正面対決、などとはハナから思っていないし、そもそも、どちらの団体もこの作曲家のスペシャリストではない。普通に両立可能な、まったくの別物、「ディナーはディナー、デザートは別腹なの」、どっちもおいしくいただければそれでシアワセ、と思ってるだけなのにね(憫笑)。

(過去の仕事ぶりを見る限り、あの演出家は、「話題性」を狙って奇抜なことをやらせようとすると、たいてい外すヨ。好きなものを好きなようにやらせとくのがいいみたい。他人を押しのける、とか、そーゆーのが不得意な二世キャラ。トータルなクオリティには絶大な信頼を置いています、的な期待を高めておいて、実際に行ってみたら、「まあ、こんな仕掛けがあったのね♪」とプチ・サプライズを本番で加点するくらいが良い湯加減であろう。すごいですよ、空前絶後、見なきゃ損!と煽るのは、たぶん逆効果。評判の洋菓子店を紹介する呼吸が肝要だと思いますわ。

そしてこのデザートの一番の心配は、あの人って指揮者としてホントに大丈夫なのか、ということに尽きる。どういう人脈をもっているのか、最近、やたらとあちこちにご登場だが、オーケストラをコントロールする力と経験は明らかに足りない。)