クラシック音楽の越冬対策、2008年関西のベスト・コンサート(モーストリー・クラシック2009年2月号)

モーストリー・クラシックの2月号2008年回顧で、関西のベスト・コンサートを5つ挙げさせていただきました。

日本では、大陸から伝わった宮廷音楽が、本場中国で廃れたあとも、「雅楽」として日本の神社・仏閣・宮中で伝承されつづけているわけですが(たとえば大阪の四天王寺には、まるでN響みたいに整然とした宮内庁楽部とは随分違った野趣溢れる舞いと音楽が伝わっています)、

何百年という大きなスパンで考えると、きっと黒船以後150年の近代洋楽も、こういう風に「外来の伝統芸能」として残ることになるんだろうな、と思ってしまいます。

日本の音―世界のなかの日本音楽 (平凡社ライブラリー)

日本の音―世界のなかの日本音楽 (平凡社ライブラリー)

今年は後半から世界的に経済が大変なことになっていて、コンサート興行はその前に企画されたものが粛々と執り行われたわけですが、わたくしのセレクションは、いわゆる「グローバル経済」の「プチ・バブル」的な勢いを背景にした「駆け込みの荒稼ぎ」的な公演をほぼ完全に無視したものになっているなあ、と掲載誌を見直して思いました。

雪の中で身動きの取れない冬ごもりのような状態になったとしても、たき火を絶やさないようにして続けて欲しいがある。それは、これとこれ、そう言えそうなものを選んでおります。(明確に意識したわけではないのですが、結果的にそうなったようです。)

詳細は掲載誌でどうぞ。

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ついでに、祝サントリー学芸賞。近代日本の洋楽はここからはじまった、伊澤修二と音楽取調掛の顛末。

国家と音楽 伊澤修二がめざした日本近代

国家と音楽 伊澤修二がめざした日本近代