ドイツのオトナたちは「身も蓋もない真実を簡潔に言い表す語法」を好む。
完成したコピーに非のうちどころはなく、コンクールでの高い評価を受ける。しかしまともに弾けるのはこれだけだ…
ピアニスト、国立音楽大学大学院・今井顕の書評ブログ : 2013年12月
どういう背景があって彼らはこういう語法を身に付けたのか、私は、アジア人クラシック奏者問題以上にそれが知りたい(笑)。
それがかなわなかった人たちが音楽の道を断念せざるを得なかった時にどのような問題を感じたのか、そしてその挫折をどのように受け入れていったのかということも知られれば、と思った。
ピアニスト、国立音楽大学大学院・今井顕の書評ブログ : 2013年12月
たしかに。北米だけでなくヨーロッパ、成功だけでなく挫折も、と別の可能性を同時に知りたくなるのは、書評対象の論が「脇目もふらない一点突破」に見えるからだと思う。
「海外進出」が「脇目もふらない一点突破」(なおかつ成功以外の選択肢を考えない、「最高でも金、最低でも金」)になってしまうのは何故なのか、この種の本を買い求めて読む人が一番知りたいのは、そこかもしれない。そうじゃないと、鬼畜米英なにするものぞ(軍事)やエコノミック・アニマル(経済)と、ジャンルは違えど、やってることはいっしょ、ということになってしまうから。
- 作者: 石田一志
- 出版社/メーカー: 朔北社
- 発売日: 2005/07
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楽人の都・上海―近代中国における西洋音楽の受容 (研文選書)
- 作者: 榎本泰子
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そして欧米に出て行かなかった東アジアの音楽家について、わたしたちは知らないことが多すぎる。