関西フィルハーモニー管弦楽団いずみホールシリーズVol.3

午後、飯守泰次郎の指揮で、関西の作曲家3人の作品。意欲的な試みだったと思います。

大栗裕「大阪俗謡による幻想曲」。すでによく知られた曲ですが、20世紀のある種の音楽を、いかにも「現代音楽」風の乾いたリズム、土俗的なメロディという紋切り型で演奏するのは、そろそろ、止めるべきではないかと思いました。特に、序奏や中間部の歌は、町人風の「粋」を読みとることもできそうな気がします。

貴志康一、交響組曲「日本のスケッチ」。良い意味でハッタリの効いた、モダン・ボーイの音楽。各部分のねらい、効果が明確な作品なので、中途半端な音を出すと、とたんに、ダサくなってしまう……。

大澤壽人「ピアノ協奏曲第3番“神風協奏曲”」。「神風」は、特攻隊ではなく、1937年「東京→ロンドン」の連続飛行最短記録を樹立した、朝日新聞社所有の飛行機のことだそうです。プロコフィエフとラヴェルをかけあわせたような音楽。難曲とはいえ、演奏に遊びが乏しすぎる気はしました。繰り返し演奏する価値のある、プロの作品だと思います。ピアノは、迫昭嘉。