大阪シンフォニカー交響楽団第98回定期演奏会

ザ・シンフォニーホール。山下一史の指揮で、シベリウスの交響曲第7番と第5番。透明で抑制され、統率された響きを作り上げていたように思います。オーケストラのまとまりが良くなり、その成果が現れている気もしました。少なくとも第7番には、こういうアプローチもあり得る。けれども、全体に音の重心が高く、口ごもったり、表情が曇ったり、管楽器と弦楽器が化学反応のように不思議な響きを作り上げたりといった、シベリウス特有の謎めいた部分が、受け流されてしまって、食い足りない印象は残りました。他に、猿谷紀郎「音の風韻II」(委嘱作品初演、ギター:鈴木大介、オーボエ:古部賢一)。曲は、やや冗長な武満徹という印象……。