小川真由子パーカッション・コンサート

引き続き、夜、大阪市中央公会堂。大集会室で、打楽器の現代曲のリサイタルというのは、思い切った企画だと思いますが、関西の奏者を集めたライヒ「ドラミング」全曲演奏が、イベントとして注目を集めたのか、かなりのお客さんが入っていました。

前半のソロ(イー・チン「ノアゴー」、クセナキス「カッサンドラ」)は、息を詰めて、脇目も振らずに進むようなリズム感、響きを止めてしまう強いアダックなど、いまひとつ、聞いていて乗り切れませんでした。

「ドラミング」に、二人のダンサーの即興的な踊りをフィーチャーしたのは、客席を退屈させない配慮かと思います。が、教条的なことを言えば、ミニマル・ミュージックは、音によって退屈の彼岸へ突き抜ける試みだったはずですし、反復を擦り込んで、感覚が麻痺したところでモアレ状の音の模様が見えてくるという、耳の体験に徹してもよかったのではないでしょうか。イベント化によって、冒険心が薄まった印象を受けました。