新製品がそんなに嬉しいか

ピアノでもオーケストラでも、新曲をやるとなると、新たに設備投資しなければならない。楽譜買って、読み込んで、不具合がないか入念にチェックして……。(貸し譜や売り物の楽譜だって、酷いのがあるからね、ときには。)

新曲だから、多少の不具合は大目にみて、とりあえずやっちゃえ(どうせ、再演はないだろうから)。と粗製濫造すると、必ず、あとでそのツケを払うことになる。

「新製品」が半年に一回、3ヵ月に一回でて、1年もすれば飽きられたり、壊れちゃったりする、そういう市場ってありますよね。

ま、そういうのでいいんだったら、やればいいと思うけど、そっちばっかりやってると、生産現場は「ペラッペラ」のその場しのぎの連続で、技能は蓄積しない。熟練の働き手は育たないよね。

そういうのが「子供だまし」と呼ばれていた時代を、キミはまだ覚えているか?

(新製品を連発して、なおかつ、倒れない生産システムを組むには、それなりの知恵とノウハウと設備が要る。そしてそれだけの投資をする価値があるかは、市場の性質による。「子供だまし」でキャッキャッと喜ぶニッチ相手に、そこまでの設備投資をするか、という話だわな。子供におねだりされたら、なんでも買い与えるのが「いい親」なのか、という話。)