誰か仕切れよ、ということか

やっとマルクス経済学の章の最後まで来た。

要するに、労働者の潜勢力を実現するためには、ある種の媒介が不可欠であり、資本主義においては、それを資本家が引き受けてきた。資本家たちは単に企業組織のオルガナイザーであっただけではなく、イノベーションの(今日風に言うなら)インキューペーターでもあったというわけだ。かりに資本家の追放が可能だとしても、媒介の必要性は消えない。(280頁)

経済学という教養 (ちくま文庫)

経済学という教養 (ちくま文庫)

組織を活性化するにはリーダー的な媒介が要る、という話は、これくらいにさらっとやるのでいいんだと思う。オーケストラであれば指揮者ですが、「マネジメントがビジネスを制す」とか、「指揮者を語ることがすべて」みたいになると、これはまた別のややこしい迷路に入り込む。資本家を打倒せよ、と一方的に主張する悪平等も困るけれど……。