これも左翼

遊動論 柳田国男と山人 (文春新書)

遊動論 柳田国男と山人 (文春新書)

アナール派は左翼としてはじまった、と柄谷行人が断定していて、そう言われればなるほどそうか、と思った。

柳田国男を左翼のほうに強力に引き寄せた物語を作ろうとする本のなかでそう言われても、という感じがないわけではないけれど……。

(「山人」という民俗学用語をわたしはどうしても「さんじん」と読んでしまって、「やまびと」という読みが頭に入らない。リアルに誰かがこの言葉を口にするのを耳にしたことがないせいかもしれない。魯山人、などの号のほうが目と耳になじみがあるし……。)