対決

センチュリーvs関西フィルの対決第2弾。

先攻さんは、関西フィルが最近見違えるようにいい音になったことをはっきり確認させる引き立て役になった印象。前者のペトルーシュカがノーミスを目指すストップ・アンド・ゴー、まるで吹奏楽コンクールみたいな演奏になってしまっていたあとで(あの慌ただしいテンポでソロを吹かされるラッパは可哀想……)、藤岡(私はいつか「化ける」と見ている)の火の鳥は、大らかに呼吸して、ふくよかに音の翼を広げるカラフルで見事な演奏でした。

(ストラヴィンスキーは、第一次世界大戦後に「音楽はオブジェだ」と時代思潮に感染してしきりに言っていたわけだが、キュー出しは「鐘突き職人」のように即物的でいいとしても、合図を受けて楽員が鳴らす音・音楽は、そのほとんどがロシアのフォークロアなのであって、手作りの人間味がないと様々な素材による異化的コラージュの面白さは出ないと思う。使用する素材自体を無機的・人工的なものに変えてしまった第二次世界大戦後の実験音楽じゃないのだから……。)