最悪のレシピ

一人称小説は、語り手としての私が過去の私を語る構造であり、テクストの外部に想定される作者とはリンクしない。そしてそのような語り手は、テクストが要請する読者の位置から生成されるのだ、という出口なしの言葉の牢獄のようなテクスト論を、無意識は言語的に分節されているというラカンで補強する。

最悪のレシピだと思う。

なるほどこういうドグマが蔓延する環境にいたら、チョムスキーで言語観自体を更新して、議論の底を抜いてしまいたくなるのも無理はない。国文学における攘夷と開国か。