読者論と観客論とゲーマー論

昼間の授業のあとで、受容美学といっても、ドラマの観客論は小説の読者論とは重ならないところが残るんじゃないかなあ、と考えていたのだが、「immersive なゲーム」という風に液体状の語彙で語られる現象は、なるほど、どちらとも違っているかもしれない。見ること/読むことは、表象の向こうに「作者」を構成するけれど、液体状の何かに浸るインタラクティヴもしくはコーポラティヴな環境は、そうではないかもしれない。

好き嫌いで言えば、私個人にとっては、むしろ、液状化した世界のほうがディストピアだが、それはまた別の話、なのでしょう。動物園や植物園を好む人もいれば、水族館を好む人もいる、という程度の話だろうから。