拡張現実と開発主義

陸と海の境界でPたちが賑わう一方、山の団地には虫と草しか出て来ないというように、この拡張現実プロジェクトは、ニッポンの20世紀末を特徴付ける開発主義(それまで人が住まなかったところに金と力で進出するような)に冷淡であるように見える。再開発で生まれた副都心系のビジネス街が(川向こうのお城とは好対照に)拡張現実的に閑散としていたりするのは、ひょっとするとそういうことなのかもしれない。Pは、現代のサラリーマンのデフォルトであるようなコンクリートジャングルがあまりお好きではないようだ。

地形を意味づけるプログラムを組むときに、まさか中沢のアースダイバーを参照したとは思われないが、文明批判の含みをもつのであろうカリフォルニア・イデオロギーの何かのDNAが思わぬ効果を発揮していたりするのだろうか?

若い人たちだけでなくオジサン・オバサン世代がPを割合素直に受け入れる一方、ヴァーチャルなセカイを好むニュータウン世代がいまいちPへの反応が薄い感じなのは、それと関係があったりして。