学位とは?

しかし、「何を」と「どのように」の両方が揃わないと、良い論文にはならない。修士もしくは博士という学位を資格としてゲットする場合、良い論文であることは二の次なのかもしれないが……。

そして世間は、学位持ち=良い論文を書ける人、と期待するが、実際には、「どのように」だけで勝負する論文、「何を」だけで勝負する論文が大半を占める。たぶん、この比率は制度をいじったり、投入する予算を増減してもほとんど変わらないだろう。

制度をいじったり、投入する予算を増減したり、というのとは相関することなく、良い論文を書ける人は良い論文を書いてしまう。

(傾向として修士論文に前者が多く、博士論文に後者が多い、と主張する現場教師がいるが、私は現場でそれほど多くの論文指導をしている人間ではないので、その見立てが適切なのかどうか、判断はできない。その教師がそのように誘導しているだけなのかもしれないし……。むしろ私は、色々なタイプの論文を書いてもらって、学生のヴァラエティが豊かになるほうが楽しそうな気がしてしまう。そういう教師もいるということです。)