歴史的総括

金融バブルの崩壊から東日本大震災までの日本の「失われた20年」(1991〜2011)は、文化の領域においては、無芸無才の庶民が公開されたルールに従う競技の成績に応じて社会的地位を付与される再配分の時代であり、このような競技が「キラキラ系」と呼称された。「キラキラ系」は、社会不安を抑制する緊急対処療法として一定の効果をあげたが、その効用の大半は次の10年で失われた。

芸能の分野では、「世界にひとつだけの花」をヒットさせた男性タレント・グループ SMAP の活躍でこの時代が特徴づけられる。1988年に結成された SMAP は、2016年末に解散した。