2016-06-17から1日間の記事一覧

醜い鳥のドラマトゥルギー

自分が今まさにその場を立ち去ろうとするその瞬間に、どうだ、とばかりに狙い澄ましたマウンティング感満点の、でも実は偏見と自惚れにまみれた凡庸さに過ぎない悪口を捨台詞として投げ捨てて、見事に「後を濁す」。この賢く下品な鳥たちに天罰がくだります…

シンパシーの限界

SNSの意識の高いクラスターがにわかにテレビ批判に回る現象には、元東大教員に漠然と「身内」意識を持ってしまう彼らのドメスティックな俗情(それは「愚民」と彼らから見える人々が、他人事として有名人の些末な失態を叩く心情と構造的に何も変わらないと思…

昭和30年の森正

森正はN響で正指揮者の称号を得るに至ったのに、何故か影が薄い。天王寺商業学校音楽部でフルートを吹いていたが、1921年生まれなので大栗裕の3年後輩、天商バンドができて、またたくまに大阪で有名になった戦前の輝かしい時代を大栗裕と一緒に過ごしたこと…

顔合わせ

芸術新潮1956年11月号に、森正、吉田雅夫、岩淵龍太郎などのオケマンが吉田秀和の司会で日本のオーケストラの現状を語り合う座談会が載っている。柴田南雄の自伝と照合すると、翌年夏の軽井沢の現代音楽祭に向けて水面下の準備が進んでいた時期であるらしい…